3月米輸入物価下落、6月の利上げ見送りか

2015年4月11日(土)00時09分

[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日に発表した3月の輸出入物価統計によると、輸入物価は前月比0.3%下落した。市場予想と一致した。石油の値上がりを食品など燃料以外の価格下落が打ち消した。前年同月比は10.5%の下落で、2009年9月以来の下げ幅だった。

米連邦準備理事会(FRB)は6月の利上げを見送るだろうとの見方を支持する内容となった。

2月の前月比の数字は、8カ月ぶりのプラスとなった当初発表の0.4%上昇から0.2%上昇へと下方修正された。

3月の輸入物価は、石油製品が前月比で0.8%上昇。2月の5.2%上昇と比べて上げ幅を大幅縮小した。石油以外の品目は0.4%下落だった。2月は0.3%の下落。食品は1.1%下落。2月は横ばいだった。

3月の輸出物価は前月比で0.1%上昇し、昨年7月以来のプラスとなった。2月は0.2%の下落だった。前年同月比では6.7%下がり、09年7月以来の大幅な下落だった。

原油安とドル高の影響で物価上昇圧力は抑えられており、FRBが物価上昇率の目標とする2%を大幅に下回り続けている。

原油価格は、昨年6月と比べ半値以下に値下がりした。世界的な供給過剰懸念に加え、サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国が生産量を減らさないとしていることが価格下落につながっている。この間、ドルは主要貿易相手国の通貨に対して約12%上昇した。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、ドル高は米国の2015年の国内総生産(GDP)とインフレ率を約0.5ポイント押し下げるとみている。

FRB当局者の何人かは、低インフレは一時的との見方から、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ検討を示唆している。ただ、物価低迷に加えて、第1・四半期の経済成長が弱含んでいることから、多くのエコノミストが利上げ開始時期の予想を今年後半に遅らせている。中には2016年まで始まらないとみる者もいる。

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