インタビュー:追加緩和、そろそろ好ましくない=岡本・日生会長

2015年4月10日(金)22時13分

[東京 10日 ロイター] - 日本生命保険の岡本圀衞会長は10日、ロイターのインタビューで、日銀の量的・質的金融緩和(QQE)について、追加緩和は好ましくないとの認識を示した。

市場における日銀の突出した売買状況などから、「もとに戻していく必要がある」としたが、出口の時期などの情報は持ち合わせていないとした。

経済同友会の財政・税制改革委員長を務める岡本氏が、同友会が1月にまとめた政策提言「財政再建は待ったなし」を主なテーマにするインタビューの中で述べた。

岡本氏は今後の金融政策について「QQEは入口はいいが、出口となるとなかなか出られない。経済がよくなってもまた腰折れするのではないかということで、なかなか実行できない。入口をどんどん広げるのはよくない」と述べ、異次元緩和からの出口の難しさを指摘。追加緩和について「そろそろ好ましくない」と語った。

日銀が保有する国債規模は、今や国債発行残高の4分の1を占め、国債の買い入れ規模は政府の15年度市中発行額に対し、年換算で最大9割超に及ぶ規模になっていると指摘。「ここまでの規模になると、マーケットに対する影響は大きく、国債市場が正常に機能している状態とは言い難い」と指摘。「いびつな市場を作って、正常なマーケットでなくす」ことは、その後の影響が大きくなると警戒感を示した。

さらに岡本氏は、一般政府債務が家計金融資産(ネット)を上回ることや経常収支動向など、様々な要素が金利急上昇のトリガーとなり得るとし「悪い意味での金利上昇は、ある日突然起こる」と警告した。

国内勢が国債保有の9割超を占めることが、市場安定の一因と言われる点についても「マーケットにおいて、フローとして動いているのは外国(勢)が結構多い。それによって(市場が)どう動くかがある」と語った。

さらに、日本の金融機関や保険会社が国債を塩漬けで持ち続けるかどうかは、リスクを見ながらの判断になるとし、金利反転はリスクとして考えておかなければならないと語った。

*内容と配信カテゴリーを追加して再送します。

(吉川裕子 スタンレー・ホワイト 編集:田巻一彦)

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