日経平均が一時15年ぶり2万円乗せ、利益確定で終値は4日ぶり反落

2015年4月10日(金)15時41分

[東京 10日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、一時15年ぶりに2万円を回復する場面があった。外部環境の改善に加え、根強い先高観から買いが先行。SQ(特別清算指数)算出に絡む売買が買い越しと観測されたうえ、好決算を発表したファーストリテの株価上昇も指数を押し上げた。もっとも利益確定売りや週末要因から上値は重く、終値では4日ぶりに反落した。

日経平均の大台回復に対し、甘利明経済再生相は「市場が景気回復を実感し始め、先行き、企業収益の拡大が好循環に影響を与えるとの期待値」の表れだと評価した。日経平均は前日の米株高や円下落を受けて、寄り付き後に一時2万0006円00銭まで上昇。ザラバベースでは2000年4月17日以来となる高値水準を付けた。

市場関係者からも評価する声が相次いだ。緩和マネーに加え、余剰資金を有効活用し始めた国内企業の姿勢変化が株高の原動力という。三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は「グローバルな過剰流動性と日本企業の姿勢の変化、2つの要素がかみ合ったことが大きい」と述べた。

ロイターが10日午前に実施した日経2万円緊急インタビューでは、年内の日経平均の上値めどとして2万1000円─2万3000円を挙げる声が出ており、日経平均2万円は通過点との見方が多い。

この日はファーストリテが指数を押し上げた側面も強かった。9日に発表した2015年8月期業績見通し(IFRS)の上方修正が評価され、株価は一時4.4%高と年初来高値を更新。1銘柄で日経平均を約46円押し上げた。指数寄与度の大きいソフトバンクや京セラも堅調だった。

もっとも日経平均が2万円台に乗せていたのは2分程度にとどまり、買い一巡後は利益確定売りが優勢だった。大台回復の達成感などから利益確定売りが優勢だったほか、週末を控え様子見ムードが広がったという。市場では「米金融引き締めが消えたわけではなく、ここからは過度に楽観的にはなりにくい」(大手証券)との慎重な見方もあった。

日本取引所グループによれば、4月限日経平均オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)値は2万0008円47銭となった。SQ算出に絡む売買は市場推計値で約2900億円となった。

個別銘柄では、イオンが続伸し、連日で年初来高値を更新。9日、2016年2月期の連結営業利益を前年比23.8%増の1750億円とする計画を発表し、材料視された。

半面、ローソンは大幅安。同社は9日、2016年2月期の連結営業利益が前年比0.7%増の710億円になりそうだと発表。13年連続の過去最高となるが、市場予想を下回ることが嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり751銘柄に対し、値下がりが969銘柄、変わらずが159銘柄だった。

日経平均

終値      19907.63 -30.09

寄り付き    19989.55

安値/高値   19845.31─20006

TOPIX

終値       1589.54 -4.65

寄り付き     1596.52

安値/高値    1584.33─1596.81

東証出来高(万株) 204579

東証売買代金(億円) 27469.32

(杉山容俊)

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