日経平均15年ぶり2万円回復、緩和マネー・株主還元の期待で

2015年4月10日(金)12時14分

[東京 10日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は取引時間中としては15年ぶりに2万円台を回復した。緩和マネーや日本株に対する需給面での安心感、企業業績、株主還元の期待感などを支えに心理的節目を突破。前日の米国株高など良好な外部環境も支えとなった。

買い一巡後は利益確定売りが優勢となり4日ぶりの反落となったが、好決算を発表したファーストリテイリングが前日比3.77%高となり指数をけん引した。

日経平均は一時2万0006円00銭まで買われ、ザラ場ベースでは2000年4月17日以来となる高値水準を付けた。前日に2015年8月期の業績予想を上方修正したファーストリテイリングが買い気配で始まるなか、寄り付き直後での大台突破とはならなかったものの、午前9時07分に2万円台を付けた。

だが直後には目標達成感から利益確定売りの動きが広がり、前日比で一時92円安まで下落。1万9900円台を割れる場面があった。

その後は下げ渋る動きをみせ、日経平均は0.08%安で前引けとなった。一方、TOPIXは0.31%安、JPX日経400は0.39%安。下落率は日経平均よりも大きい。ファーストリテイリングの上昇が日経平均に対し約71円の押し上げ要因となっていることが背景にある。

もっともきょうは4月限日経平均プションのSQ(特別清算指数)算出日にあたる。寄り付き後に株式市場が推計したSQ値は2万0008円47銭。午前中の高値はこれをやや下回っており、この先SQ値が上値のめどとして意識される展開も見込まれている。

しかしながら「売り込む理由も乏しい」(大手証券)との声も聞かれる。海外投資家や国内公的マネーに支えられる需給面での安心感は根強いことから、指数は底堅く推移している。

市場からは国内企業の業績や株主還元姿勢への変化、世界的な緩和マネーが今回の株高につながったとの見方が多い。さらに2万円到達後の利益確定売りはある程度想定されていた部分もあった。丸三証券・経済調査部長の安達誠司氏は「調整局面が来るとみられていたが底堅さもある。今後は海外要因や日銀による追加緩和への思惑が相場を左右するとみられており、月末までは2万円近辺でもみ合いが続きそう」との見方を示している。

個別銘柄では東京エネシが大幅高。9日、2015年3月期連結業績予想を上方修正し、材料視された。営業利益予想を53億円(従来27億5000万円)とした。半面、ローソンは軟調。同社は9日、2016年2月期の連結営業利益が前年比0.7%増の710億円になりそうだと発表した。13年連続の過去最高となるが、市場予想を下回ることが嫌気された。

東証1部の騰落数は、値上がり721銘柄に対し、値下がりが1003銘柄、変わらずが155銘柄だった。

日経平均

前場終値 19920.86 -16.86

寄り付き 19989.55

安値/高値 19845.31─20006

東証出来高(万株) 111550

東証売買代金(億円) 14538.40

(長田善行)

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