3月中国CPIは前年比+1.4%、予想やや上回る 低下続くPPI

2015年4月10日(金)14時22分

[上海 10日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年比1.4%上昇だった。上昇率はロイターがまとめた市場予想の1.3%をやや上回った。2月のCPIは1.4%上昇だった。

デフレ圧力をめぐる懸念は引き続き残っており、銀行のRRR(預金準備率)引き下げといった追加刺激策が講じられるとの観測が広がっている。

生産者物価指数(PPI)は前年比4.6%低下。市場は2月と同様、4.8%低下すると予想していた。前月比は0.1%低下。

PPIはこれで、3年にわたってマイナス圏で推移しており、特に重工業など、中国企業の利益率に対する圧力が浮き彫りになっている。

CPI上昇率が予想を上回ったのは、2013年12月以降、CPIの伸びを抑制してきた豚肉価格が上昇に転じたことが背景。ただ、インフレ率は2015年の公式目標である3%には遠く、一部からは目標達成を危ぶむ声も出ている。

キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンスプリチャード氏はリサーチノートで「3月にインフレ率は安定したが、今後数カ月で食品価格の伸び鈍化が押し下げ要因となる」と指摘した。

採掘産業と素材産業が再び、PPIの押し下げ要因だった。

不動産市場が低迷し、供給過剰の問題が広がる中、世界経済の見通しが不透明で、コモディティ価格も軟調に推移しており、政策当局者はデフレリスクの高まりに懸念を表明している。

コモディティ価格の低下は採掘産業などには打撃となっているものの、影響は全般に及んでいるわけではなく、中には投入価格低下の恩恵を受ける企業もある。

一方、中国人民銀行(中央銀行)が実施する金融緩和について、実際の借り入れコストにはほとんど影響していないとのエコノミスト見解もある。

ANZのエコノミストは一段の金融緩和の必要性を指摘しつつ、「流動性供給を保つことで、デフレリスクを回避する望ましい金融状況を維持することができる」としている。

*内容を追加して再送しました。

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