日経2万円:緩和マネーと企業の変化が原動力=三井住友アセット
[東京 10日 ロイター] - 日経平均が15年ぶりに2万円の大台を回復したことについて、三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は、グローバルな緩和マネーと手元資金を効率的に使い始めた企業側の変化が大きいとみている。
年央には2万1000円に到達する予想だが、米利上げをきっかけに調整局面入りを見込んでいる。
10日午前、ロイターのインタビューに答えた。
──日経2万円達成の原動力は。
「グローバルな過剰流動性と日本企業の姿勢の変化、2つの要素がかみ合ったことが大きいとみている。日欧の量的緩和を背景に資金は潤沢だ。9月にも米利上げがあるとみているが、ペースは緩やかであり、過剰流動性が急速に収縮するリスクは小さいだろう。日本企業が経営効率を重視する方向に舵を切っていることも重要。豊富な手元資金を配当やM&Aに使い始めている。海外投資家は日本企業の変化を評価している」
──年内の株価見通しはどうか。
「日経平均2万円は通過点とみているが、上値も2万1000円程度だろう。日銀が追加緩和に踏み切れば、一段の円安・株高もあり得るが、日銀が早期に動くとは考えにくい。これまでのような強力な株高推進力が働くことはない。日本株は年央にもピークを付けそうだ。9月以降に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始すれば、ドル高のペースは緩むか、むしろ一服する可能性もあるだろう。米利上げをきっかけに日本株の上値も重くなるとみている」
──日経平均3万円の可能性は。
「東京五輪が開催される2020年までということであれば、期待感はあるが、現時点では見通せない。国内だけの要因で3万円を試すには無理がある。中国や新興国も含めた世界景気の持ち直しが必要だ。いまの段階でそれほど楽観的にはみていない」
*写真を加えました。
(河口浩一)
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