日経平均は3日続伸、SQ前の先物買いで1万9900円回復

2015年4月9日(木)15時39分

[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸となり、連日で年初来高値を更新。2000年4月以来、15年ぶりに1万9900円台を回復した。米株高やドル高/円安が追い風となったほか、あすのオプションSQ(特別清算指数)算出を前に先物買いが入り、堅調に推移した。もっとも上値では利益確定売りもみられ、日経平均2万円を目前に高値圏でもみ合った。

寄り前に発表された財務省の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)で、対内株式投資が1兆0361億円の買い越しとなり、海外投資家の買い意欲がうかがえたことも買い安心感を誘った。TOPIXは3月23日につけた年初来高値を更新し、2007年11月以来、7年5カ月ぶりの高値水準となった。

日経平均は2万円の大台回復まで間近に迫ったが、市場からは違和感を指摘する声が出た。ファーストリテやファナックなどの上昇が目立ち、「物色の対象が一部の値がさ内需株に偏っている」(中堅証券)という。SQを前にした日経平均先物への思惑買いという面も強く、TOPIXの上昇率は日経平均の上昇率の半分以下にとどまった。

松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「トヨタ自動車やメガバンクなどが下落したうえ、東証1部の値下がり銘柄数も多いため、体感的にはそんなに上昇している感じがしない。ドル高を背景とした米企業業績への懸念から米国株の上値は重く、あすのSQ通過で日本株の上昇が一服する可能性もある」とみていた。

個別銘柄では、ファミリーマート が高い。8日に発表した2016年2月期見通しが増益・増配予想となり、好感した買いが入った。2016年2月期以降の配当について「配当性向50%以上」を目標に掲げ、株主への還元強化を発表した東京個別指導学院はストップ高となった。

半面、レナウンがストップ安。8日に発表した2015年2月期業績予想の下方修正を嫌気した。クリアランス販売が盛り上がりを欠いたことなどが響く。同社株は短期資金を集めて足元で急騰したことから、反動も出たとみられている。

東証1部騰落数は、値上がり786銘柄に対し、値下がりが938銘柄、変わらずが154銘柄だった。

日経平均

終値      19937.72 +147.91

寄り付き    19851.12

安値/高値   19822.49─19957.32

TOPIX

終値       1594.19 +5.72

寄り付き     1592.49

安値/高値    1588.47─1595.75

東証出来高(万株) 198784

東証売買代金(億円) 23497.24

(杉山容俊)

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