ドル120円前半でしっかり、株高も支援材料に

2015年4月9日(木)12時29分

[東京 9日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の120円前半だった。前日海外時間からドル高基調を引き継ぎ、しっかりと推移。日経平均株価の上げ幅拡大も支援材料となり、正午にかけて120.39円まで上昇した。

午前10時前、日経平均株価が100円超に上げ幅を拡大させる中、ドル/円はいったん120.38円まで買い進まれた。市場では、実需筋の目立ったフローはなく、インターバンク主導の取引だったとの指摘がある。「昨日は何回も下方向が試されたが、底堅かった。株価が2万円に近づく中、円買いではないという判断で、ドル買いから入った感じだ」(邦銀)との声が出ていた。

その後、仲値を挟んで120.23円まで小幅に押し戻されたが、下げは限定的。正午にかけて再びドル買い/円売りの流れが強まり、一時120.39円まで上昇した。市場では「海外時間からのドル高基調を引き継いで、小じっかりという印象だ。昨日の高値は120.35円、きょうも120.38円で止められており、この水準での売り意欲が強い」との指摘が出ていた。

日経平均は前場の取引で1万9946円まで上昇し、昨日つけた年初来高値を更新している。朝方の市場では「日経平均が2万円の大台をつけるような動きとなるか。ドルは120.30─50円台の売りをこなしていけるか注目したい」(国内金融機関)との声が聞かれた。

<FOMC議事要旨、米国の年内利上げ示唆>

前日海外時間、米連邦準備理事会(FRB)が3月17─18日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表すると、ドル/円は119.85円付近から120.31円まで上昇した。

議事要旨では、FRB当局者が米経済が年明け以降弱含んでいることを認識しながらも、年後半の利上げに向け地ならしをする上で、景気回復に対する十分な自信を維持していることが分かった。「かなりタカ派的というわけではなかったが、年内に利上げをする可能性が高くなった印象だ」(外為アナリスト)という。

ダドリー米ニューヨーク連銀総裁は8日、米国の利上げ時期について「次回の雇用統計が力強く、第2・四半期の国内総生産(GDP)統計で経済が大きく上向いていることが示されれば、6月の利上げはなお可能な状況にあると考えている」と述べた。

その一方、できるだけ多くの雇用が創出されることを確実にするため、利上げは早過ぎるよりも遅過ぎる方がよいと考える理由がなお存在しているとも指摘。第1・四半期の経済指標が軟調で、直近の雇用統計も弱かったことを踏まえると、6月の利上げは「ハードルは若干高い可能性がある」との見方を示した。

<米企業決算への動向を注視>

米国では8日のアルミ大手アルコアを皮切りに、第1・四半期決算の発表が来週以降、本格化していく。米企業決算は、同国の株式市場やドルの全般的なトレンドに与える影響という観点から市場で注目されている。

アルコアが発表した第1・四半期の売上高は、前年同期比約7%増の58億2000万ドルと増収となったが、アナリスト予想の59億4000万ドルには届かなかった。アルコア株は時間外取引で3%強下落した。

市場では「非鉄セクターやエネルギーセクターが米景気の足を引っ張るとの懸念が出かねない。ドルについて頭を抑える要因になる可能性がある」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)との見方が出ていた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円 

正午現在   120.32/34 1.0781/85 129.73/77

午前9時現在 120.09/11 1.0783/87 129.50/54

NY午後5時 120.12/14 1.0780/85 129.46/50

(為替マーケットチーム)

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