NY市場サマリー(8日)

2015年4月9日(木)06時54分

[8日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して続伸した。米連邦準備理事会(FRB)が公表した3月17─18日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、年内の利上げの可能性が残っていることが示されたことを受けてドルが買われた。

FOMC議事要旨によると、FRB当局者は米国経済が年明け以降さえない展開となっていることを認識しているものの、年後半の利上げの地ならしを継続する上で景気回復が十分力強いものになるとの自信を持っていることが分かった。

また議事要旨では6月利上げの可能性が残っていることが示された。数人のメンバーが今後発表される経済指標で6月の利上げが正当化されるとみているとした。

<債券> 短期債を中心に利回りが上昇した。午後に公表されたFOMC議事要旨で、経済成長が鈍化しているものの年内の利上げ開始は可能との見方が示されたことが背景。

FRBは6月の利上げ開始を選択肢として残しているが、議事要旨で「数人の参加者」が今後発表される経済指標で6月の利上げが正当化されるとの認識を示していたことが判明。

FOMC議事要旨は、FRB当局者がこの日に行った発言に沿った内容となった。パウエルFRB理事はニューヨークで行った講演で、現状の低インフレ状態が続いたとしても利上げ開始を望むと発言。ただ、経済回復を確かなものにするために、その後の利上げは緩やかなペースで進めていくべきとの見解を示した。

ダドリー・ニューヨーク(NY)連銀総裁はロイターのインタビューに対し、経済指標が年初から軟調となっているものの、今後2カ月で回復すれば6月に利上げを実施することは引き続き可能との考えを示した。

財務省がこの日に実施した210億ドルの9年10カ月債(リオープン、銘柄統合)入札(ダッチ方式)は、最高落札利回りが 1.925%と、2013年5月以来の低水準となった。

<株式> 小幅高で終了した。午後に公表された3月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、年内の利上げ開始はなお可能との見方が示されたことが背景。

後発医薬品(ジェネリック)メーカーのマイランは14.8%上昇。同社は、アイルランドのペリゴに約290億ドルの買収提案をしたことを明らかにした。ペリゴは18.4%上がった。

FOMC議事要旨の公表後、市場参加者の間ではこれを連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期を探る手掛かりとしてさまざまに解釈する動きが広がり、主要株価指数は上下に揺れ動いた。

議事要旨では数人のメンバーが今後発表される指標で6月の利上げが正当化されるとの意見を表明した一方、最近のドル高を理由にもっと遅い利上げを想定する声もあった。

原油価格が在庫の大幅増加を受けて急落したため、S&Pエネルギー株指数は1%下落し、石油のエクソン・モービルは2%、シェブロンは1.7%それぞれ下がった。

<金先物> 続落。週初の大幅な上昇からの調整的な売りが継続。米株相場が堅調だったことも上値を抑え、金相場は終日軟調に推移した。ただ主要経済指標などがなく手掛かり材料に乏しかった上、FOMC議事要旨の公表を控えて大きく動きづらい展開。議事要旨公表後の引け後の電子取引では8ドル余り値を削った。

<米原油先物> 急落。原油在庫が前週比1090万バレル増と積み増し幅は市場予想(ロイター通信調べ)の340万バレル増を大幅に上回った。これを受けて需給緩和懸念が強まったことから原油は下げ足を速めた。

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