米FRB当局者6月利上げなお可能と言明、経済動向見守る構え

2015年4月9日(木)03時42分

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は8日、雇用や製造業活動、小売売上高など最近の経済指標がさえない内容であるにも関わらず、FRBが6月に利上げを行うことは可能とした上で、向こう2カ月間の経済動向を見守る姿勢を示した。

市場では、弱い経済指標を背景に、利上げ時期の後ずれを見込む声が根強いものの、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁はロイターのインタビューに対し、FRBは大方の見方よりも早めに利上げに踏み切り、その後は慎重に対応する可能性があると発言した。

その上で「6月利上げが依然可能な状況を想定し得る。経済が力強く、失業率が低下、賃金は上昇し、見通しが良好であれば、(利上げの)可能性がないわけではない」と語った。同時に第1・四半期の経済指標が軟調で、直近の雇用統計も弱かったことを踏まえ、6月に利上げを開始する「ハードルは若干高い可能性がある」とも述べた。

こうしたなか、パウエルFRB理事は、現状の低インフレ状態が続いたとしても利上げ開始を望むと言明。ただ、経済回復を確かなものにするために、その後の利上げは緩やかなペースで進めていくべきだとした。

理事は「ゴールポストが見えるまで待つわけにはいかない。金融政策には効果が出るまでの長い時間差がある」とし、早ければ6月の利上げ開始も選択肢として残しておくべきだと述べた。FRBは、向こう2カ月間の指標が経済の順調な回復を示せば利上げに踏み切るとした。

さらに「6月の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合までには、経済のあらゆることに関するデータが今よりずっと多く入ってくる。6月は今とは状況が全く変わっているだろう」と指摘。「急ぐ必要はないが、ゴールに着くよりも相当前に動き始めなければならない」と述べた。

先物市場で織り込まれるFRBの利上げ時期は、前日の12月からこの日10月に早まった。エコノミストの間では9月の利上げ予想が一般的となっている。

ダドリー総裁は、できるだけ多くの雇用が創出されることを確実にするために、FRBの利上げは早過ぎるよりも遅過ぎる方がよいと考える理由はなお存在していると指摘した。

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