ABNアムロの年内上場は可能=オランダ首相
2015年4月3日(金)09時16分
[アムステルダム 2日 ロイター] - オランダのルッテ首相は2日、ハーグで記者団に対し、同国政府は依然として政府傘下の銀行ABNアムロの年内の上場を進める意向だと強調した。同行をめぐっては、倫理方針や幹部給与の問題について議会から批判が出ている。
ルッテ首相はABNアムロの年内上場について「今年はまだ本当に長い」と述べ、議会から提起されたさまざまな問題が解決されれば、同行の新規株式公開(IPO)の実施に好機となるとの見方を示した。その上で「まだ、可能性があると思う。いずれにしても、現内閣はこの株式上場を推進したい」と語った。
ABNアムロは、救済のため2008年に国有化。これまでに240億ユーロ(260億ドル)の公的資金を投入した。その後、コスト削減と、オランダ市場への事業の再集中を経て、同行の14年末の簿価は149億ユーロとなった。
オランダのデイセルブルム財務相は先週、ABNアムロの上場に関する決定を先送り。同行の監査役会が大部分の幹部の給与をそれぞれ10万ユーロ引き上げる提案をしたことを受け、議会内で批判が相次いだことを踏まえた措置。
IPOが中止の危機に陥ったことを受け、取締役会は3月29日、給与引き上げ提案を受け入れず、給与担当の監査役会メンバーは31日に辞職した。
議会ではその後、ABNアムロの汚職防止対策に強化に関しても疑問の声が出ていた。
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