トヨタ新工場、中国は最大年産10万台 メキシコは20万台

2015年4月3日(金)10時35分

[東京 3日 ロイター] - トヨタ自動車は3日までに中国とメキシコで建設を検討している新工場計画の詳細を固めた。複数の関係筋によると、中国工場は広州市内に2018年に建設、年間生産能力は最大10万台。メキシコ中部のグアナファト州に最大で年間20万台を生産する工場を2019年に建設する予定で、投資額は合わせて約1500億円になる見通しだ。

中国工場では小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」、メキシコ工場では北米向けの「カローラ」の新型車を生産する。新工場計画は月内にも発表する。

トヨタは、2008年のリーマン・ショック後に巨額赤字を招いた理由が工場の新増設による規模の急拡大にあったとして、2013年度から原則3年間は新工場の建設を凍結し、既存工場の生産技術向上と品質改善を優先的に進めてきた。

海外市場で激化する独フォルクスワーゲン(VW)などと競争するため、新たな生産拠点として中国とメキシコでの新工場建設も準備してきた。低コストで生産性の高い工場の建設や稼働が可能になったと判断、5年ぶりの工場新設に踏み切る。両工場とも生産設備の小型化などにより初期投資を08年比で約4割削減する。

世界販売2位のVWは特に中国での生産能力を増強するなどして首位のトヨタを追い上げており、トヨタも堅調な需要が見込まれる中国での現地生産を拡大する。メキシコでは今夏からマツダの現地工場(グアナファト州)でトヨタブランドの北米向け小型車を生産するが、トヨタとしては初の乗用車組み立て工場となる。労働コストが低い同国で低価格の乗用車を生産し、米国に輸出する。

(白木真紀)

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