2月米貿易赤字は5年4カ月ぶり低水準、労働争議影響か

2015年4月2日(木)23時00分

[ワシントン 2日 ロイター] - 米商務省が2日発表した2月の貿易統計は、赤字額が前月比16.9%減の354億ドルと、2009年10月以来5年4カ月ぶりの少なさだった。西海岸の主要港湾で続いていた労働争議が輸出入を抑制したとみられる。ドル高や世界的な需要低迷、原油安なども影響した。

市場予想は412億ドルの赤字だった。

1月の貿易赤字は当初発表の418億ドルから427億ドルに修正された。

2月のインフレ調整後の赤字は508億ドルで、1月の546億ドルから縮小した。

2月に収拾がついた西海岸での海運会社などの労使交渉により輸出入が減った。内訳は、2月の輸入は4.4%減の2217億ドルで、2011年4月以来の低い水準だった。石油輸入は04年9月以来の少なさだった。

輸出は1.6%減の1862億ドル。12年10月以来の低水準だった。

地域別にみると、主要貿易相手国であるカナダとメキシコへの輸出が下落。中国向けの輸出は8.9%減、欧州連合(EU)は横ばいだった。

中国からの輸入は18.1%の急落。政治摩擦を引き起こしやすい対中貿易赤字は21.2%減の225億ドルだった。

ドル高や世界的な需要低迷を踏まえると赤字額の縮小は長くは続かないとみられる。赤字縮小で第1・四半期の国内総生産(GDP)の市場予想が上方修正される可能性があるが、この期間のGDPが大きく減速したとの見方は変わらない。

第1・四半期のGDP見通しは年率で前期比0.6%増から1.7%増とされている。昨年の第4・四半期の実績は2.2%増だった。

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