ギリシャが債権団に新改革案提示、予定通りのIMF融資返済約束

2015年4月2日(木)08時28分

[アテネ 1日 ロイター] - ギリシャは1日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)を含む債権団に対し新たな改革案の一覧を提示した。ユーロ圏の当局者は新たな支援を実施するためには、改革案をさらに調整する必要があるとの見方を示している。

ギリシャ財務省当局者は記者団に対し、「今日、ブリュッセル・グループ(EUやIMFなど構成される債権団)により詳細な文書を提出した」と述べた。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙によると、26ページに及ぶ改革案のなかでギリシャは2015年の資金需要は190億ユーロ(200億ドル)になると試算。

脱税の取り締まりを強化すると同時に、ぜいたく品に対する税率引き上げなどを確約する一方、生活が困窮している年金生活者に対する補助の再導入や、最低賃金の段階的な引き上げも提示しているという。

EU当局者の1人は「多くの点で具体性に欠き、実体を伴っていない」と語った。

改革リストは国有資産売却での調達額を15億ユーロとしているが、前政権が約束した40億ユーロを大幅に下回っている。

ギリシャでは9日に約4億3000万ユーロのIMF融資の返済期限が迫っており、早急な返済資金の確保が急務となっている。

ブーチス内相は独シュピーゲル誌とのインタビューで、4月9日までに債権団から追加資金を受け取れなければ、まず給与や年金の支払いを実施し、IMF融資の返済遅延に関する理解を得られるように働きかけると述べた。

これに対して、ギリシャのサケラリディス政府報道官はロイターに対し、「ギリシャがIMF融資の返済期限を守れないことはない」と述べた。

独週刊紙ツァイトの報道によると、スクルレティス労働相はチプラス首相が来週に予定するモスクワ訪問について、「ロシアとの歴史的な友好関係を別の段階に発展させることができるかを模索する」狙いがあると説明。同相は「欧州という名の船にわれわれはとどまりたい」とする一方、「船長が船外へ押し出すのなら、泳ぐ必要がある」と語った。

また「もうこれ以上打つ手がない場合」にのみ、ロシアが担う可能性のある役割を明確にするとしている。

*内容を追加します。

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