日経平均は続落、日銀短観・期初益出し売りで一時279円安 

2015年4月1日(水)15時50分

[東京 1日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。前日の米国株安に加え、寄り付き前に発表された3月の日銀短観が市場予想を下回ったことが重しとなり、前日比で一時279円安。3月12日以来、約3週間ぶりに1万9000円を割れる場面があった。名実ともに新年度入りとなり国内機関投資家からの期初の益出し売りも観測されたが、下値圏は押し目買いの動きもみられた。

日銀が午前8時50分に発表した3月日銀短観では、大企業製造業・業況判断DIが プラス12となり、ロイター予測(プラス14)を下回った。前日のダウ工業株30種は200ドルの下げとなるなど外部環境も軟調。朝方の東京市場では先物での大口売りがみられたほか、期初の益出し売りの観測も広がり、日経平均は一時1万8900円台前半まで下落したが、その後は下げ渋る動きとなった。「日銀短観は悪いというほどでもなく、安値圏では買い戻しの動きもみられた」(明治安田アセットマネジメント執行役員の小泉治氏)という。

こうしたなか、自民党の山本幸三衆議院議員がロイターのインタビューで、追加緩和の必要性について言及し、タイミングについて「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表になる4月30日会合が「良いタイミングだ」と指摘した。「発言が山本氏だけに、市場に刺激を与えた」(中堅証券)との声も聞かれ、後場に一時1万9100円台を回復した。

もっとも日本株は連日振れの大きい展開が続いており、日経平均ボラティリティ指数 は取引時間中で2月6日以来、約2カ月ぶりの高水準を付けた。大引けにかけても先物主導で不安定な動きを続け、日経平均は172円安できょうの取引を終えた。

業種別では前日に大きく下げた陸運業や銀行業をはじめ内需関連に買い戻しの動きがみられた。東京都などが神宮球場周辺の再開発に乗り出すと伝わったことで、不動産株が後場に一段高。半面、自動車株は軟調。武田薬品工業やエーザイなど医薬品株も下げた。

個別銘柄ではユニオンツールが年初来高値を更新。31日に好調な2015年12月期第1四半期決算(2014年12月―15年2月)を発表したことが評価された。取引時間中に2015年3月期業績が従来予想を上回って着地したと発表したあみやき亭も上昇した。

東証1部騰落数は、値上がり415銘柄に対し、値下がりが1353銘柄、変わらずが108銘柄だった。

日経平均

終値      19034.84 -172.15

寄り付き    19129.75

安値/高値   18927.95─19195.23

TOPIX

終値       1528.99 -14.12

寄り付き     1536.7

安値/高値    1519.41─1541.3

東証出来高(万株) 251031

東証売買代金(億円) 29765.06

(長田善行)

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