日経平均は小反落、高寄りも先物売りで下げに転じる
[東京 31日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は小反落となった。前日の米国株が大幅高、為替は1ドル120円台と円安方向に振れ、投資家のマインドが改善。朝方は自動車、電機などの輸出株を中心に買いが先行した。
一時は195円高まで上昇したが、日米での重要経済指標発表を控えて次第に上値が重くなり、前場後半から仕掛け的な先物売りで下げに転じた。TOPIXは続伸した。
日経平均先物への売りやファーストリテなど指数寄与度の大きい銘柄の下落が響き、日経平均は前引けにかけて小幅の下げに転じたが、世界的な緩和環境が継続するとの期待から余剰資金の流入は継続している。国内景気や企業業績への期待感も強く、TOPIXは続伸。東証1部の値上り銘柄数も1200を超えた。ただ、あす以降は、1日の3月調査日銀短観、3月米ISM製造業景気指数、3日の3月米雇用統計など重要経済指標が目白押しとなる。買い一巡後は上値の重さが目立った。
市場では「期末・期初のポートフォリオ組み換えに伴うポジション調整売りも出ているようだ。4月下旬の決算シーズンが始まるまでいったん足踏みとなる可能性もある」(内藤証券投資情報本部部長の浅井陽造氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、富士フイルムホールディングスが昨年来高値を更新した。同社は30日、iPS細胞の開発・製造を手掛ける米セルラー・ダイナミクス(CDI)を、株式公開買い付け(TOB)により買収すると発表した。医療分野の事業拡大を評価する買いが入った。半面、船井電機が軟調。30日に発表した2015年3月期利益予想の下方修正を嫌気した。
東証1部の騰落数は、値上がり1272銘柄に対し、値下がりが474銘柄、変わらずが130銘柄だった。
日経平均
前場終値 19409.1 -2.30
寄り付き 19592.43
安値/高値 19396.9─19607.25
東証出来高(万株) 108818
東証売買代金(億円) 12509.79
(河口浩一)
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