ドル119円後半で上値重い、ユーロは底堅さを維持
[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べて若干ドル安/円高の119円後半。実需、インターバンク、海外投機筋とも商いが低調となるなか、売られ過ぎのユーロが底堅く推移する一方で、ドルの上値の重さが目立つ展開となった。
ドル/円は、朝方から119.56─119.83円の狭いレンジでの取引に終始した。
「前日の海外時間にも明確な方向感は出なかった。目先の材料がなく、上も下もやりにくい」(国内金融機関)との声が出ていた。
きょうは五・十日に当たったが、仲値公示にかけてのフローは膨らまなかったもよう。輸入企業の「淡々としたドル買い」(国内金融機関)が見られた一方、「輸出企業は売り焦っておらず、目立った動きはなかったようだ」(同)という。新年度の4月から仕切り直しという投資家も多いとの指摘も聞かれた。
<リスクオフでドル売りと円売りが同時進行>
日米株安を映して、市場では、ドルと円が同時に売られ、ユーロや豪ドル、NZドルなどその他の通貨が買われる「典型的なリスクオフの地合い」になっているという。
円は対ドルでは強いが、対豪ドル、対NZドルなどで軟調となっている。
近頃のドル安について、FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は、「米国の長期金利が低迷していること、海外勢の日本株買い/円売りが止まっていること、一気に下がったユーロを買い求める実需のフローが出ていること」などの要因をあげた。
公的資金を中心に日本から対外投資のフローが毎月まとまった規模ででているにも関わらず、ドル高/円安が遅々として進行しない背景として、同氏は「満期が来たものを再投資する際に、為替ヘッジを外しているわけではないだろう。新規のものについては、ある程度ヘッジをかけて投資しているとみられる」とし、対外投資が額面金額と同規模の円売りフローにつながらない可能性を指摘した。
<ユーロ1.10ドル半ばがレジスタンスに、上抜ければ値幅も意識>
ユーロは、前日の海外時間に強い経済指標の発表を受けて一時1.1029ドルまで上伸した。ただ、目先では「1.10ドル台では売りが出やすい」(国内金融機関)との声も出ていた。米連邦公開市場委員会(FOMC)直後にユーロが反発した際の1.1062ドルには届かず押し戻されており、1.10ドル半ばは、心理的レジスタンスになりつつあるとの指摘も出ていた。
もっとも、ユーロショートが依然、積み上がっているとの見方から「1.10ドル半ばを上抜ければ、上昇の勢いは強まりそうだ」(同)という。米早期利上げ期待が後退する中、ユーロにポジティブな材料が出れば1.13─1.14ドル程度まで上昇する可能性がある、との指摘も聞かれた。
<金価格は5連騰後に小幅な調整>
24日の海外市場では、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限が5営業日続伸し、一時1194.5ドルと、3月6日以来2週間半ぶりの高値を付けた。
時間外取引で同限月は目下1187.5ドルと小幅安となっているが、市場では、「ドルの軟調地合いが続けば、金の買い需要はこれからも強い」(投資家)との意見が出ていた。
ワールド・ゴールド・カウンシルが2月に発表した2014年の金需要リポートによると、国別の金消費需要(宝飾と金現物投資)では、中国が前年の1311.8トンから813.6トンへと38%の大幅減となった。
一方、前年比で13.6%減にとどまったインドが842.7トンとなり、2年ぶりに世界一の金消費大国に返り咲いた。
世界に占める割合ではインドの26.2%と中国の25.3%を合わせて世界シェアの50%を占めている。
ドル/円
午後3時現在 119.64/66 1.0924/28 130.70/74
正午現在 119.60/62 1.0934/38 130.78/82
午前9時現在 119.78/80 1.0903/07 130.61/65
NY午後5時 119.75/77 1.0923/25 130.74/78
(為替マーケットチーム)
- 1/1