欧州市場サマリー(20日)

2015年3月21日(土)04時18分

[20日 ロイター] - <為替> ドルが下落。対ユーロでは週間で約2年ぶりの大幅な落ち込みとなる勢い。米金利の上昇ペースが当初の予想よりもかなり緩やかになるとの見方からドル売りが進んだ。

<ロンドン株式市場> FT100種総合株価指数が初めて7000ポイントの大台を超え、60.19ポイント(0.86%)高の7022.51と終値の過去最高値を更新して取引を終えた。一時は7024.21ポイントまで上昇し、取引時間中の過去最高値も更新した。

アイルランドのセメントメーカーCRHは5.1%上昇し、FT100種の中で最も大きな伸びとなった。スイスのホルシムとフランスのラファージュのセメント大手2社の合併に際し、両社から資産の一部を65億ユーロで譲り受けることで合意したことが好感された。資産買収でCRHは世界3位のセメントメーカーとなる。

スペイン第5位のサバデル銀行からの買収提案を受け入れることで合意したTSB銀行は2.1%上昇した。買収価格は17億ポンドで、金融危機以降、銀行業界で最大級の国際M&A(企業の合併・買収)案件となる。

<欧州株式市場> 続伸して取引を終えた。ユーロ安の影響で欧州企業の業績が上がるとの期待が引き続き相場を押し上げている。

FTSEユーロファースト300指数は13.37ポイント(0.84%)高の1610.93で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数は55.34(1.51%)高の3726.07だった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、今週1週間で欧州株式相場に54億ドルが流入した。過去10週間の合計は420億ドルにのぼる。欧州中央銀行(ECB)による資産購入への期待が大きい。

ユーロはこの1年で約25%下落しており、輸出が利益の約半分を占める欧州企業にとって追い風となっている。主要な輸出企業が多いドイツではクセトラDAX指数が今年約23%値上がりしている。同指数はこの日も1.18%上昇した。

こうした中、フランスの航空機用座席メーカーのゾディアック・エアロスペースは4.7%下落した。コスト増を理由に利益見通しを引き下げたことが嫌気された。

<ユーロ圏債券> ギリシャのチプラス首相が欧州連合(EU)の債権団に対し、追加支援の条件となっている経済改革の詳細を数日以内に提示する姿勢を表明したことを受け、同国の国債利回りが低下した。

終盤の取引で、ギリシャ10年債利回りは11.59%と69ベーシスポイント(bp)低下、2年債利回りは22.55%と200bpを超えて低下した。

欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れが2週間目に入るなか、他の周辺国の国債利回りも低下し、イタリア10年債利回りは1.21%、スペイン10年債利回りは1.19%と、ともに4─6%低下した。ポルトガル10年債利回りは8bp低下の1.64%。

独10年債

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