人民元が対ドルで反落、週間で07年以来の上昇率=上海外為

2015年3月21日(土)00時03分

[上海 20日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで反落した。ただ週間では0.85%上昇し、2007年以来の上昇率となった。中国の大手国有銀行が過去数日間にまとまったドル売りを出したことが背景。

人民元相場は1ドル=6.1930元で取引を開始した後、おおむね堅調に推移していたが、取引終盤に売りに押された。終値は6.2062元(前営業日終値6.1961元)。

中国人民銀行(中央銀行)はこの日、元の対ドル基準値を6.1496元に設定した。これは前日の基準値(6.1460元)よりも元安・ドル高の水準。

一部ディーラーは最近の元相場上昇に関して、長期間にわたって持続することに確信を持っていない。上海を拠点とする国有銀行のディーラーは「元相場は1―2週間で約1%上昇する可能性があるものの、その後の数週間で同じ程度あるいはそれ以上下落する恐れがある」と指摘。その上で「このところの動きは、元相場が新たな上昇サイクルに入っていることを示唆するものではない」と強調した。

一方、一部のエコノミストは、2月の中国貿易黒字が記録的な水準になったことを踏まえ、元相場が堅調に推移する需給面の要因があると考えている。

モルガン・スタンレーのある中国担当エコノミストは「年初に(中国の)輸出が力強さを増したとみられるが、これは原油安を通じた海外での消費者需要改善や世界的な金融緩和が背景にある」と分析。「こうした外需の改善が今後も持続可能かどうかはまだ分からないが、高水準の輸出の伸びと貿易黒字拡大は、短期的に元の著しい下落を妨げる公算が大きい」との見解を示した。

人民元の終値は対円が100円=5.1490元(前営業日終値5.1312元)、対ユーロが1ユーロ=6.6302元(同6.5981元)。

*内容を追加して再送します。

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