GPIF・3共済、年金運用一元化へ「中心値範囲」=政府筋

2015年3月19日(木)13時14分

[東京 19日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と国家公務員共済組合連合会(国共済、KKR)などの3共済は、年金運用を一元化するための共通指針(モデルポートフォリオ)を固めた。安倍晋三政権の意向で運用改革を前倒ししたGPIFの例を参考に、リスク運用にかじを切る。共通指針では「中心値範囲」という基準ももうけ、それぞれ裁量を反映できるよう、各共済の事情に配慮した。

20日に発表する。指針は、GPIFと同様に、それぞれ資産構成を国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%とし、今年10月の年金運用の一元化に備えるものだ。

国共済はすでに資産構成の比率を見直しており、3共済のうち、残る地方公務員共済組合連合会と日本私立学校振興・共済事業団が、あらたな共通指針をもとに改革に着手する。複数の政府筋が明らかにした。

指針では、目安の中心に縛られ、かえって柔軟な運用ができなくなる事態を回避するため、中心値範囲という基準も設ける。GPIFのポートフォリオで「かい離許容幅」として定められている範囲を適用し、国内株式なら共済側は16%から34%の間で中心値を決めることが可能となる。

資産構成に、任意で「短期資産」を組み入れることも可能な仕組みとなっており、市場が注目する国内株式の比率は、必ずしも25%に届かない可能性もある。

GPIFはロイターの取材に対し「現時点においてモデルポートフォリオを決定したという事実はない」(森新一郎企画課長)としている。3共済からはコメントを得られていない。

(梅川崇 編集:山口貴也)

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