日経平均は反発、追加緩和の思惑で一時233円高

2015年3月17日(火)15時44分

[東京 17日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発した。前日比で一時233円高となり、きょうも昨年来高値を更新。欧米株高に加え、トヨタが約8年ぶりに上場来高値を更新したことが支援材料となった。

日銀が金融政策決定会合で物価の現状と当面の見通しを引き下げたことで追加緩和の思惑が一部で広がり、先物主導で上げ幅を拡大する場面があったが、大引けにかけては利益確定売りに押され、指数は伸び悩んだ。

緩和マネーを背景とする株高の動きが日本株にも波及し、寄り付きから輸出関連株や金融株が上昇した。日経平均は取引時間中としては2000年4月17日以来、14年11か月ぶりの高値水準を付けた。好需給に加え「年度末を前に株高局面となり、ファンドのパフォーマンスが相対的に低下することを恐れて高ROE(自己資本利益率)銘柄などを機械的に組み入れる動きが出ている」(中堅証券)との声が聞かれた。

日銀は金融政策決定会合で当面の金融政策の「現状維持」を決定。一方で消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)は消費税率引き上げの影響を除いたベースで「当面ゼロ%程度で推移する」とし、当面の見通しを引き下げた。これを一部投資家が思惑視し、先物主導で買われ指数が強含む場面があったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果などを見極めたいとの意識が働き、節目の1万9500円手前で上げ幅を縮小した。

主力株ではトヨタが07年2月27日に付けた上場来高値8350円を上抜けたほか、日立製作所が一時5.1%高となるなど大型株の一角が堅調。TDK、キヤノン、キーエンスや、内需株では花王、KDDIが昨年来高値を更新。業種別では医薬品も反発した。

安藤証券の横山貢投資情報室長は「大型株が動いてきたことは、相場に厚みが出るという意味で好感できる。1万9000円以上は価格帯別累積出来高からみても真空地帯ということができ、商いが薄くても駆け上がっていく可能性を秘めている」と指摘している。

個別銘柄では、長瀬産業が反発。同社は16日、発行済み株式総数の7.95%に相当する1100万株を3月30日に消却すると発表した。再放出などの潜在的な需給懸念が後退した。

一方、 江守グループホールディングスがストップ安。16日、2014年4─12月期末は234億円の大幅な債務超過になったと発表した。中国子会社において、得意先の業界が金融引き締めの影響を受け資金繰りが悪化。回収可能性に疑義が生じたことで、貸倒引当金繰入額462億円を特別損失に計上した。取引金融機関である福井銀行も大幅安となった。

東証1部騰落数は、値上がり1024銘柄に対し、値下がりが679銘柄、変わらずが165銘柄だった。

日経平均

終値      19437 +190.94

寄り付き    19425.89

安値/高値   19373.39─19479.89

TOPIX

終値       1570.5 +12.29

寄り付き     1570.1

安値/高値    1565.21─1575.31

東証出来高(万株) 194249

東証売買代金(億円) 24539.68

(長田善行)

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