ドル121円半ば、日銀は金融政策の現状維持を決定

2015年3月17日(火)12時21分

[東京 17日 ロイター] - 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の121円半ば。朝方は実需の買いフローが見られたものの、121円半ばで伸び悩み、きょうの日銀決定会合と明日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが広がった。

ドルは仲値公示にかけて一時121.53円まで上値を伸ばした。ただ、その後は株高にも関わらず、伸び悩んだ。

日銀は、この日の決定会合で、金融政策の現状維持を決定し、景気は緩やかな回復基調を続けているとの認識を改めて示した。

ドルは同決定が伝わった直後に121.29円まで下押ししたが、間もなく発表前の水準に戻した。

<FOMCとドルの行方>

明日からはじまるFOMCについては、声明から「忍耐強く(patient)」の文言が取り除かれ、FRBが年央からの利上げ準備を本格化させるとの見方が多い。

ただ、「6月の利上げが確固たるものになり、その先も金利上昇が見渡せる状況になれば、米金利が上昇する一方で株価が下落するという軽いリスクオフの流れになるだろう」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は予想する。

また、各国当局が超緩和的政策にまい進する中、日本の緩和政策は比較優位を失いつつあり、リスクオフの流れのなかで、円が、ドルの次に強い通貨になる可能性が大きい、と上田氏は述べ、クロス円での円上昇がドル/円の下落につながるリスクがあると指摘する。

一方で、このところ発表された米景気指標が予想を下回る結果になっていることに鑑み、イエレン議長が18日の記者会見で慎重な言い回しを使うとの見方や、利上げの先送りを可能にする新たな文言が付け加えられるとの思惑も広がっている。

独アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は16日、CNBCの番組で「『忍耐強く』の文言は外れるとみているが、『言葉の体操』が再び始まるだろう」と語った。

<ドル/円スワップ、2週間物のドル調達コストが急上昇>

一方、3月期末を目前に控え、為替スワップ取引では、期末をカバーする2週間物のドル調達コストが前週末から急上昇した。

2週間物のドル/円スワップスプレッドは、前日3.51bp付近。足元でも3.44bp付近と、前週末の1.31bpから跳ね上がった。現在のスプレッドを年率換算すると73―74bp付近となり、邦銀など本邦投資家のドル調達コストが上昇していることを示す。

スワップ・スプレッドは通常、日米金利差(目下6bp程度)に収れんするが、市場で需給バランスが崩れたり、金融危機などのストレス時に、理論値から乖離することが知られている。

本邦勢はこのところ対外証券投資や対外直接投資を活発化させているが、その一方で、スワップの相手方となる欧米金融機関によるドル資金の供給(円での運用)が、本邦勢のドルニーズに追いついていないため、スワップによるドル資金調達のコストに上昇圧力がかかっているものとみられる。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   121.45/47 1.0569/73 128.37/41

午前9時現在 121.37/39 1.0570/74 128.30/34

NY午後5時 121.33/35 1.0565/67 128.22/26

(為替市場チーム)

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