ドル下落、FOMCでドル高言及の懸念=NY市場

2015年3月17日(火)07時22分

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 16日のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。最近のドル上昇のペースは速く、米連邦準備理事会(FRB)が年内の利上げについて慎重になるのではという思惑が広がった。

ドルの主要6通貨に対するドル指数は5月以降約24%上昇しており、ドル高が17─18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で主要議題になる可能性がある。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)の上級市場アナリストのジョー・マニンボ氏は「ドルはあまりに急ピッチで上昇した。これは懸念材料だ。そしてFRBのインフレ目標に影響を及ぼすかもしれない」と述べた。

ドル指数は終盤0.7%安の99.597。

ドル高以外にも、ドライブウェルスの主席市場アナリストのブライアン・ドラン氏のように、米労働市場にも長引く問題があるとする見方もある。

ドラン氏は「米景気回復についてはいろいろ言われてきたが、米雇用統計の雇用者数の非常に強い数字はさておき、最近の指標から見て取れることは慎重になるべき余地がまだかなりあるということだ」と指摘した。

ただ市場の関心はFRBが「忍耐強く(patient)」の文言を声明で外すかどうかに集まっている。もしそうなれば、早ければ6月にも利上げを開始するサインになると見られている。

ユーロ/ドルは終盤の取引で0.9%高の1.0585ドルとなっている。

欧州中銀(ECB)理事のビスコ・イタリア中銀総裁が14日、ECBが昨年量的緩和策(QE)実施を示唆して以来、ユーロは想定以上のペースで下落したと発言したこともドルの重しとなった。

ECBがQEを開始した最初の1週間に、独短期債利回りはマイナス幅を広げ、ユーロはさらに3%下落した。ビスコ総裁はこのQEプログラムが目標を超えて行き過ぎ、資産価格の高騰に油を注ぐリスクがあるとの見方を示した。

ドル/円    終値   121.33/35

始値   121.25/26

前営業日終値   121.38/44

ユーロ/ドル  終値   1.0565/67

始値   1.0544/45

前営業日終値   1.0495/97

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