ユーロ圏国債利回り上昇、ECB購入ペース鈍るとの見方で

2015年3月17日(火)03時59分

[ロンドン 16日 ロイター] - 16日のユーロ圏金融・債券市場では、国債利回りが小幅上昇した。欧州中央銀行(ECB)が先週から開始した量的緩和プログラムに基づく資産購入ペースを落とすとの見方が背景にある。

ECBはこの日、第1週目の公的部門債券買い入れ額が97億5100万ユーロ(103億ドル)に上ったと明らかにした。ECBは国債を中心に月額600億ユーロの証券買い入れを目指しているが、第1週の実績から目標達成が見込めるとして、今後ECBの買い入れペースが鈍るとの観測が浮上した。

KBCのストラテジスト、ピエ・ラメンス氏は「QE開始直後の3日間、ECBはかなり積極的に買い入れを行っていたが、その後(買い入れ)はかなり減ったと耳にした」と述べた。

独10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇の0.28%。その他のユーロ圏国債も利回りが総じて小幅高となった。

米連邦準備理事会(FRB)が今週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で声明から「忍耐強く(patient)」の文言を削除するとの見方も利回り押し上げ要因となった。

また急ピッチで進むユーロ安を受け、市場ではインフレや成長率見通しを上方修正する必要性も指摘されており、債券市場に対する楽観的な見方が後退しているという。

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