NY市場サマリー(12日)

2015年3月13日(金)07時27分

[12日 ロイター] - <為替> ユーロがドルに対して買い戻された。朝方発表された2月の米小売売上高が市場予想より大幅に悪くドルが売られ、ユーロ/ドルはアジアの取引時間帯に付けた12年ぶり安値から戻した。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)の上級市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて警戒感が広がっている。堅調な雇用の伸びを受け、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに向けて地ならしをするとみる市場参加者が多い一方、今の急速なドル高が経済成長の足かせになるという警告をFRBが発する可能性もある」と指摘した。

<債券> 30年債価格が下落。利回りは小幅ながら週内で初めて上昇に転じた。朝方発表された2月小売売上高が予想外に弱い内容だったことを受け、国債価格は当初値上がりしていたものの、午後行われた30年債入札がさえなかったことから、引けにかけて売り圧力が強まった。

欧州中央銀行(ECB)が国債買い入れプログラムを開始した今週9日以降、域内の国債価格は軒並み値上がりが続いており、そうした動きにつられる形で米国債にもこれまで買いが入っていた。独10年債利回りは足元0.237%近辺で推移。米10年債との利回り格差は184ベーシスポイント(bp)程度となっている。

2月の米小売売上高は、前月比で0.6%減少した。減少は3カ月連続。市場では0.3%増を予想していた。売り上げの落ち込みが広範な部門にわたっており、大雪や寒波など2月後半の厳しい天候が要因とみられ、第1・四半期の経済成長を損ねる可能性もある。

<株式> 反発。ドル下落で企業収益への懸念が和らいだほか、連邦準備理事会(FRB)の年次ストレステスト(健全性審査)結果公表を受け金融株が上昇した。

この日発表された2月米小売売上高は予想外に減少。ドルが対ユーロで反落し、FRBの利上げをめぐる不安感はやや後退した。一方で6日の2月米雇用統計は予想より堅調で、FRBが6月にも利上げするとの観測を強めて前日までの株安をもたらしていた。

S&P金融株指数は2.2%上昇。ステレステストで資本計画が承認され、増配が可能となったシティグループは3.3%上がった。ただ内部管理態勢などの改善を求められたバンク・オブ・アメリカは0.1%安だった。

<金先物> 小反発。対ユーロでのドル安で買われた。安値拾いの買いも入った。

ただ、米早期利上げ観測は根強く上値は限定的だった。

<米原油先物> 3日続落。供給過剰感が圧迫した。早朝の電子取引では対ユーロでのドル高で買われ一時48.76ドルまで上昇した。買い一巡後はマイナス圏に転落。米民間調査会社が原油先物の主要受け渡し拠点での在庫が積み上がっているとの見方を示したとの報を受けて、売り込まれた。米石油業界労働者が加入する全米鉄鉱労組(USW)と米石油会社数社の労組交渉が前進する可能性があるとの報道も材料視された。ヒューストンシップチャネル(運河)が再開されたと伝わり、原油輸入が増加するとの思惑が広がった。

*内容を追加しました。

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