韓国中銀が予想外の利下げ、過去最低1.75%
[ソウル 12日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は12日、政策金利を2.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.75%にすることを決めた。
他の中央銀行と同様、低迷する経済をテコ入れするため、利下げに踏み切った。市場は据え置き予想が大勢だった。
利下げは昨年10月以来5カ月ぶり。2012年7月から始まった緩和サイクルの中では6度目となる。
李柱烈(イ・ジュヨル)総裁によると、5対2で利下げを決定した。
金利決定の直後は国債先物が上昇し、ウォンは1年8カ月ぶり安値に下落したが、その後に元の水準に戻った。米国の利上げに関する李総裁の慎重な発言で、必ずしも追加利下げが行われるわけではないことが示唆されたため。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、Lim Ji-won氏は「われわれの予想よりも(利下げは)1カ月早かった」と指摘。「状況がそれほど改善しなければ、追加利下げの可能性は依然としてある。ただ、現時点では指標次第だ」と述べた。
李総裁は年初の2カ月間で景気が弱含んだため、成長が阻害されないようにしたと説明。「想定したほど成長が加速しておらず、インフレ率も予想より低水準となる」と指摘し、「リスクが見受けられる中、先手を打って対応する方が賢明だと判断した」と明かした。
ただ、さらなる金利変更については慎重な姿勢を示した。李総裁は「今年下期に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを始めるというシナリオを基に準備しているが、米国での引き締めが始まってすぐに利上げをする必要があるとは思っていない」と述べた。
為替相場について李総裁は、輸出業者にとって重要ではあるものの、主に通貨安の誘導を目的として多くの国で利下げが行われているとの意見には賛同しないと述べた。
ロイターが事前に実施したアナリスト調査では、利下げを予想したのは33人中4人だけだった。ただ、据え置きを予想したアナリストのうち19人が4月ないし4─6月中の利下げを予想していた。
中銀の声明は、世界経済は緩やかに回復しているが、韓国経済の回復は予想を下回っていると指摘。
国内のマイナスの生産ギャップは当初見通しより長引き、インフレは予想より低水準にとどまるとの見方を示した。
また、中国経済の減速が韓国経済にとって下押しリスクと指摘した。
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