ECBの買入れ国債下限金利の設定、売り手に安心感も

2015年3月9日(月)11時30分

[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が買い入れの対象とする国債について、下限金利に現在マイナス0.20%となっているECBの中銀預金金利を設定したことで、売り手に安心感を与える上、長期金利の低下が予想されている。

市場の一部では、主に規制上の理由から債券保有者が売り渋るのではないかとの懸念がある。ECBが積極的な買い入れを目指す中、利回りはさらに低下するとみられる。

JPモルガン・アセットマネジメントの世界市場ストラテジスト、ビンセント・ジュビンズ氏は「金利にフロアが設定されたことで、中銀と競争することはできず、利回りを永遠に低下させることはできないと市場を説得することが容易になった」との見方を提示。「債券保有者を売りに傾かせるだろう」と述べた。

前週、ドイツ連邦債2年物の利回りはマイナス0.24%まで低下していたが、ECBが5日に国債買い入れ計画を発表したのち、マイナス0.20%前後まで小幅回復した。同程度の格付けを付与された他のユーロ圏国債も、似通った動きをみせた。

他方で、長期金利は急低下。イタリア、スペイン、ポルトガルの10年債利回りは過去最低水準となった。

ウニクレディトの金利ストラテジスト、ルカ・カズラーニ氏は「(独国債)10年物をみると、ECBの下限金利まで50ベーシスポイント(bp)の低下余地があるということになる」との見方を示した。

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