ユーロ圏国債利回り低下、量的緩和の延長示唆で

2015年3月6日(金)03時16分

[ロンドン 5日 ロイター] - 5日のユーロ圏金融・債券市場では、国債利回りが一段と低下した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の記者会見で、9日に開始する国債買い入れについて、必要に応じて延長する姿勢を示したことが背景。

ドラギ総裁は、国債買い入れは「2016年9月末までの実施が意図されているが、インフレ率の道筋が持続的に調整され、2%をわずかに下回る水準とするわれわれの中期的なインフレ目標と整合性があると確認できるまで実施する」と発言。

アリアンツ・グローバル・インベスターズのシニア債券ポートフォリオ・マネジャー、マウロ・ビットランジェリ氏は、「ドラギ総裁は、ECBが結果が出るまで国債買い入れを断固として継続する姿勢であることを示した。ECBには失敗は許されないということを承知している」と述べた。

ドラギ総裁の発言を受け、大部分のユーロ圏国債の利回りは低下。ただ、独2年債利回りは、ドラギ総裁がECBは下限金利である中銀預金金利(マイナス0.20%)より利回りが低い国債は買い入れないとしたことを受け、同金利を若干超える水準に上昇した。

ECBは中期的なインフレ目標を2%をわずかに下回る水準としているが、この日発表のスタッフ予想で示された2017年のインフレ率見通しは1.8%。

JPモルガン・アセットマネジメントの世界市場ストラテジスト、ビンセント・ジュビンズ氏は、「2017年になっても1.8%にしか上昇しないとの見通しを自ら示すことで、2016年半ばを過ぎても量的緩和措置を継続するとの姿勢が暗に示された」としている。

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