ユーロ圏国債利回り全般的に上昇、緩和詳細見極めの動き

2015年3月4日(水)05時08分

[ロンドン 3日 ロイター] - 3日のユーロ圏金融・債券市場では、欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れ型の量的緩和(QE)策の詳細を見極めようとする動きが広がり、国債利回りが全般的にやや上昇した。

イタリア10年債利回りは1.37%、スペイン10年債利回りは1.30%と、それぞれ3ベーシスポイント(bp)上昇。ポルトガル10年債利回りは5bp上昇の1.92%となった。

前日の取引ではECBのQEが支援材料となり、スペイン、イタリア、ポルトガルの国債利回りがそろって過去最低を更新。ただ、QE開始を控え市場心理は引き続き堅調に推移しているため、利回り上昇は一時的なものとの見方が出ている。

ユニジェスションのクロスアセット・ソリューション部門責任者、ジェローム・テイレッチェ氏は、利回りは短期的に一段と低下する余地があるとしている。

この日に発表されたドイツの1月の小売売上高は、実質ベースで前月比2.9 %増と、予想の0.4%増を上回り、2008年1月以来の大幅増となった。これを受け資金が株式市場に流れ、独10年債利回りは1bp上昇の0.37%となった。

ギリシャ国債利回りは、ユーロ圏による支援問題をめぐりさまざまな観測が出たことで、不安定な動きを見せた。10年債利回りは9.81%とやや低下。ただ、同国が債務不履行(デフォルト)に陥る懸念が払しょくされていないことを反映し、短期債利回りは高止まりしている。

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