米利上げ遅らせ、開始後は積極的な引き締めを=有力エコノミスト

2015年2月28日(土)04時56分

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 有力エコノミストらは27日、連邦準備理事会(FRB)は想定以上に長期間、低金利を維持し、その後は一段と積極的な引き締め策を講じるべきとの考えをまとめた論文を発表した。米経済が低成長期を迎えた確証がさほどないことを理由に挙げた。

論文は、FRBが金利を最終的にどの水準まで引き上げるべきか確信することはできないと指摘。同時に、こうした均衡水準は一部が主張しているほど低下していないと言明した。サマーズ元米財務長官をはじめ、一部エコノミストの間ではこのところ、米国が「長期停滞」期に突入した可能性があるとの見方が台頭している。

ゴールドマン・サックスのジャン・ハットジウス氏やバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのイーサン・ハリス氏を含むエコノミストらは「均衡水準を特定できないことを踏まえ、労働市場の(上方)圧力やインフレ上昇を一部確認するまで、名目金利の引き上げを待つことが有益となる可能性がある」と述べた。

さらに、利上げをFRBが想定しているよりも「遅い時期」に実施し、「正常化プロセスはより急速なペースで」進めるべきとした。

論文はまた、米国の「長期停滞」論には「説得力はない」とし、景気回復の遅れは、家計貯蓄や財政引き締めなどの一時的要因によるものと主張した。

論文は、シカゴ大学のブース・ビジネススクール主催の会合で発表。会合にはフィッシャーFRB副議長のほか、欧州中央銀行(ECB)や日銀の幹部らが出席した。

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