英RBS投資銀行事業縮小、14年は54億ドルの損失計上

2015年2月26日(木)21時04分

[ロンドン 26日 ロイター] - 英銀行大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、英国内の融資業務に再び注力するため、アジアや欧州、中東の25カ国で投資銀行事業から撤退し、同事業を大幅に縮小する方針を示した。

26日発表した2014年決算では、35億ポンド(54億ドル)の損失を計上した。米国事業のシチズンズに絡んで計上した評価損や、外為当局の調査などに関連する追加費用が響いた。

前年の帰属損失は90億ポンドだった。金融危機以降年間決算で赤字が続いている。同行は2008年に英政府の資金注入を受け、一部国有化された。

RBSはまた、英金融サービス機構(FSA)初代理事長を務めたハワード・デイビス氏を新たな会長に指名した。

ロス・マキューアン最高経営責任者(CEO)は、投資銀行部門について、アジア事業を大幅に縮小し、中東欧諸国やアフリカ、中東から撤退すると表明。人員削減と資産の60%削減を伴うという。資本水準を引き上げ、株主にとってのリターンを改善することが狙いだと説明した。

「RBSにとって独立した投資銀行のグローバルモデルが終わることを意味する」とした。

投資銀行部門を含むコーポレート&インスティテューショナル・バンキング(CIB)の会長に指名される予定のロリー・カリナン氏が、投資銀行事業の縮小を監督する。

RBSはまた、米国から撤退する計画はないと表明した。

コストが高い投資銀行事業を縮小することで、必要とされる自己資本の水準が低下することになり、株主還元の余地が生まれる可能性がある。

RBSは来年までに、配当再開について中銀傘下の健全性監督機構(PRA)と協議を開始することを希望すると表明。

イーウェン・スティーブンソン最高財務責任者(CFO)は、当局との協議を開始するには、米国での住宅ローン担保証券(MBS)販売に関する法務費用がこれ以上増えない状態になる必要があると述べ、年内にそうなる公算が大きいとした。

*内容を追加して再送します。

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