ドル118円後半、材料出尽くしでこう着気味

2015年2月26日(木)15時23分

[東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ若干ドル高/円安の118円後半。オーストラリアの弱い経済指標や、輸入企業や米系ファンドによるドル買いを受け、一時119円台を回復したが、その後は上値が重くなり、伸び悩んだ。

ドル/円は手掛かり材料に乏しく、朝方から午前9時過ぎにかけて118.80円台でこう着していたが、午前9時半に発表されたオーストラリアの民間新規設備投資が予想以上の減少となったことを受けて小幅に上昇。仲値にかけて月末を控えた輸入企業のドル買い/円売りも加わり、一時119.09円まで強含んだ。

118円後半では、米系ファンドがドル買いで参戦していたととみられるが、119円台では売りに回り、ドルの上値は伸び悩んだ。

市場では「材料出尽くしで、来週の米雇用統計を確認するまでは動きづらい」(FX会社)との声が上がり、早くも雇用統計の発表待ちの態勢となっている。

オーストラリア連邦統計局が発表した2014年10─12月期の民間新規設備投資は前期比マイナス2.2%となり、市場予想(同マイナス1.9%)を超える落ち込みとなった。外為市場では、豪ドル売り/米ドル買いの流れとなり、ドル/円にも波及しているとみられる。

<ユーロも動意薄>

ユーロは底堅さを保ったが、朝方から1.1358―1.1373ドルと小幅なレンジ内での取引となった。

欧州については、「ギリシャ問題が解決したとは言えないが、(大きな危機はなく)なんとなくダラダラと物事が進んでいく」(前出のFX会社)と見方が広がり、手掛かり材料にはなっていないという。

さらに、年初から4回にわたる利下げを実施し、預金金利をスイスと同水準のマイナス0.75%まで引き下げているデンマークについても、「北欧勢の動きいうことで、主要通貨には影響を及ぼしていない」(同)という。

ギリシャでは、ラファザニス・エネルギー相が電力会社の民営化をめぐって政府に反対し、チプラス政権発足以来、初めて政権内の亀裂があらわになっている。

ギリシャのチプラス首相は先週、欧州連合(EU)および国際通貨基金(IMF)との間で救済プログラムの4カ月延長で合意した。

ギリシャ政府は24日、既に入札を開始した民営化事業については計画を凍結しないと約束する改革案をEUやIMFに提出したが、エネルギー相は25日、電力会社PPCや電力網大手ADMIEの民営化計画を推進しないと表明した。

ラファザニス氏は与党・急進左派連合(SYRIZA)内でも極左メンバーで、造反すれば政権を倒しかねない影響力があるとみられるが、そうした兆候はまだ見られず、これまでのところ他の問題に関しては従来の主張を後退させている。

<ドルはレンジ脱却ならず>

ドル/円は、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言でも、このところ続いている117─120円のレンジを抜け出すことができなかった。目先、118.63円付近にある21日移動平均線が下値支持線として意識される一方、119.50円付近にはオファーが観測されており、手掛かり材料に乏しい中でレンジを抜けるのは難しいとの見方も出ている。

海外時間には米国で新規失業保険申請件数や消費者物価指数、耐久財受注などの経済指標が発表される。米アトランタ地区連銀のロックハート総裁やダラス地区連銀のフィッシャー総裁の講演もあるが、市場では「(相場に)大きな方向感は出ないだろう」(国内金融機関)とみられている。

前日は、イエレン議長が下院金融委員会で議会証言を行った。内容は24日に行われた上院銀行委員会での証言とほぼ同じだった。「忍耐強く」という文言を連邦公開市場委員会(FOMC)声明文の中で削除する時期については明言を避けるとともに、文言が外されてもそれがすぐに利上げに結びつくことはないと強調した。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 118.95/97 1.1362/66 135.16/20

正午現在   118.88/90 1.1367/71 135.14/18

午前9時現在 118.82/84 1.1362/66 135.01/05

NY午後5時 118.85/88 1.1359/62 135.00/04

(為替マーケットチーム)

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