GPIF、合議制導入へ「経営委」=年金積立金管理運用機構法案

2015年2月25日(水)18時18分

[東京 25日 ロイター] - 政府が作成中の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織改革の全容が判明した。将来のデフレ脱却をにらみ機動的な運用を可能とする合議機関である経営委員会を設置、NHKのような特殊法人とする法改正を伴うものだ。

ロイターが入手した「年金積立金管理運用機構法案」によると、GPIFが保有する約130兆円の資産の機動的な運用を実現するため、新たに経営委を設置する。経営委は、基本ポートフォリオなどの資金運用に関する最高意思決定機関と位置付け、機構長や委員長、委員8人以内で構成する。

経営委には委員長が出席のうえ、委員を含めた3分の2の出席を開催の条件とし、出席者の過半数をもって議事を決定。決議事項は、委員長が遅延なく厚生労働相に報告する。

法改正後の新組織には政府が全額出資する。合議制の導入に伴い、独法から特殊法人へと組織形態を見直す。施行は2016年4月1日を想定している。

政府がGPIFの組織改革に乗り出すのは、機動的な運用体制を整えるのと同時に、理事長に集中する権限を見直すためだ。

ただ、政府・与党の一部から「合議制の導入がかえって機動的な運用の足かせになりかねない」と、今国会への法案提出そのものに慎重な声もあり、厚生労働省では「社会保障審議会年金部会で法改正の必要性も含め議論し、必要な対応を検討する」(森浩太郎参事官)としている。

(アントニー・スロドコフスキー)

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