ドル118円後半、午後も狭いレンジで小動き

2015年2月25日(水)16時17分

[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の118円後半だった。前日海外時間にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が行われたが、東京市場では方向感の出ない展開となった。

朝方から上値は重く、月末のスポット応当日ということもあり実需筋の売りが出やすかった。一方、ドル買い直しも入り、底堅さも意識された。午後にかけては狭いレンジでの小動きに終始した。

ドル/円はイエレン議長の議会証言を受けて乱高下したこともあり、朝方はやや手掛けづらさが指摘されていたが、早朝の119.00円付近から午前9時過ぎまでに118.69円まで軟化。仲値に向けて持ち直したものの、その後は失速し、午後は118.60─70円台でのもみあいに終始した。午後3時前に日経平均株価がややマイナス圏に沈み、再び小幅なドル売りが出る場面もあったが、全体的には小動きにとどまり、底堅さも意識された。

<イエレン議長の議会証言は見方分かれる>

市場では、イエレン議長の議会証言はハト派的だったとする見方とそうではないとする見方が分かれている。「月末のスポット応当日であるため、ハト派的との見方を大きくとらえた」(邦銀)ことを売りの材料にしているとの指摘が出ていた一方、「証言後にドルロングを落とした一部の短期筋が、下がったところで買い直している」(邦銀)と声もあった。

議長証言はハト派的でもタカ派的でもなく、証言の前後で利上げに対する市場の見方は変わっていないとの見方も出ている。証言の直前に一部の短期筋がタカ派発言への思惑からドル買いを進めた場面があり、証言後の相場の動きは「直前にドルを買った向きの過剰な期待がはく落し、その分の売りが出ただけ。結局、元の水準に戻ってきた」(国内金融機関)という。

イエレン議長はきょう下院金融委員会でも議会証言を行うが、大きなサプライズはないとみられている。

議長証言以外の手掛かりとしては、午前に発表された中国の経済指標が予想を上回ったことで、中国経済と関連が深いオーストラリアドルが上昇した。

一方、午後には甘利明経済再生担当相と日銀の黒田東彦総裁が衆院予算委員会で発言したが、相場の反応は乏しかった。

<ギリシャの短期的リスクは後退>

一方、ギリシャの短期的リスクは後退、ユーロ/ドルは1.13ドル前半を中心に安定した値動きとなった。

ユーロ圏財務相(ユーログループ)は24日、ギリシャが提出した改革案を大筋で承認した。これにより同国への金融支援は4カ月間の延長が認められ、危惧されていた同国の破綻や金融システムの崩壊は当面回避される見通しとなった。

市場では「ギリシャ新政権は当初の強気姿勢がやや軟化したようにみえる。短期的なリスクが後退し、ユーロにとっては支援材料となりそうだ」(外為アナリスト)との声が出ていた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時   118.68/70 1.1346/50 134.66/70

正午現在   118.68/70 1.1347/51 134.68/72

午前9時現在 118.86/88 1.1338/42 134.77/81

NY午後5時 118.97/99 1.1340/42 134.89/93

(為替マーケットチーム)

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