ユーロ圏がギリシャ支援4カ月延長で合意、財政破綻ひとまず回避

2015年2月21日(土)08時45分

[ブリュッセル 20日 ロイター] - ユーロ圏諸国はブリュッセルで20日開催した財務相会合(ユーログループ)で、ギリシャへの金融支援を4カ月間延長することで暫定合意した。

合意では、23日までに支援期間中に実施する政策措置の一覧をユーログループに提出することをギリシャに義務付けた。

欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の3者で構成する「トロイカ」がギリシャの提案に満足すれば、ユーロ圏の一部の国は必要な議会承認へと進む。

ユーログループのデイセルブルム議長は会見で「信認の再構築に向けた初めの一歩だ」とし、「われわれは再び、妥協点を見い出した」と語った。

ユーログループは24日、電話会議を通じてこれを承認する可能性があるが、疑問が残る内容なら、再び会合を召集する。

当局者によると、ギリシャと同様、急進左派が急速に支持を伸ばしているスペインが、年内の選挙を控え、ギリシャが特別扱いされないよう、この条件をつけるよう主張した。

ユーロ圏のパートナーは、より短期の支援延長と、一段の融資実施は満足の行く進ちょく状況が確認できた場合のみとするよう求めた。また新たな支出措置には財源をすべて手当てさせ、債権団から承認を得るようギリシャに義務づけた。

また残るギリシャ銀の資本増強向け資金およそ110億ユーロについて、今後はユーロ圏救済基金が管理し、ECBの要請があった場合のみ使用可能とした。

デイセルブルム議長は「ギリシャ銀の資本増強向け資金が、政府の財源として使われないよう確実にするため」と説明している。

ユーロ圏内ではギリシャが合意を履行するか懐疑的な見方が強く、ギリシャから管理権限を奪った格好だ。

この複雑な合意文書の大枠は、ギリシャのバルファキス財務相、ショイブレ独財務相、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、デイセルブルム議長が準備会合で申し合わせ、その後ユーログループ全体の総意を得た。

合意が得られたことで、ギリシャが財政破綻やユーロ圏離脱へと追い込まれる切迫したリスクは後退した。チプラス新政権にとっては、長期的な債務軽減策について債権団と協議する時間的猶予が生まれたが、緊縮策の撤回を掲げて選挙に勝利した首相は、大幅譲歩を余儀なくされた。

ECBは合意を受け、国内銀行からの預金流出に歯止めをかけるため、ギリシャが資本規制を導入する必要はないとの見解を示した。

関係筋によると、支援延長への必要な手続きが終われば、ECB理事会はギリシャ国債の担保特例措置を復活させる用意がある。

金融市場はギリシャの支援延長合意をひとまず好感。ユーロが対ドルで上昇に転じたほか、ダウ工業株30種(ドル)、S&P総合500種は終値で過去最高値を更新した。

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