ダイセルがエアバッグ部品の新工場建設前倒し、タカタ問題で

2015年2月20日(金)11時46分

[東京 20日 ロイター] - ダイセルは20日、米国アリゾナ州にエアバッグの基幹部品であるインフレ―ター(ガス発生装置)の新工場を建設することを明らかにした。2016年3月をめどに稼働する予定。投資額や生産能力は非公表としている。

同社は当初、米国で新工場の稼働を2年後をめどに計画していたが、タカタ製エアバッグのリコール(回収・無償修理)に伴い交換用インフレ―ターが不足しているため、前倒しで米国の生産能力を増強する。米国ではケンタッキー州に次いで2カ所目。

ダイセルはエアバッグを膨らませるインフレ―ターをタカタなどのエアバッグメーカーに供給しており、約2割の世界シェアを持つ。2014年3月期は約6000万個を販売、中期経営計画では17年3月期に7800万個に増やす目標を掲げている。

タカタ製エアバッグ問題をめぐっては、同社が内製するインフレーターの不具合によりリコールが膨らんでおり、調査リコールを含めたリコール対象台数は全世界で2600万台超となっている。

タカタ製エアバッグの搭載量が特に多いホンダは、ダイセルのほかスウェーデンのオートリブにインフレーターの交換部品供給を要請している。両社は他の自動車メーカーからも供給増の打診を受けており、増産体制を整えている。

(白木真紀 取材協力:金昌蘭)

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