米FRB、経済の勢い続けば6月利上げも=セントルイス連銀総裁

2015年2月20日(金)09時41分

[19日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は19日、利上げまで時間をかけ過ぎれば、米連邦準備理事会(FRB)と米経済に「悲惨かつ破壊的な」影響が及ぶとの認識を示した。ロイターのインタビューで述べた。

失業率は第3・四半期までに5%を下回ると予想。連邦公開市場委員会(FOMC)は来月にも、利上げ決定に「忍耐強く(patient)」臨むという文言を声明から外し、6月利上げに道を開くべきと述べた。

米失業率は現在5.7%で、リセッション時の10%から大幅低下。FRB当局者が考える「正常値」より若干高い水準まで改善した。

総裁は、労働市場が予想外に冷え込めば「改善するまで利上げを待つべき」だが、現在の勢いが続けば「6月の決定が可能」と強調した。

18日に公開された1月のFOMC議事要旨では、「忍耐強い」の文言を外した際の市場の反応を不安視する声があることが分かった。

<利上げ遅れれば経済への影響甚大>

総裁は「FRBの措置が後手に回ること」を心配している、と述べ「ある意味、すでに後手に回っているのかもしれない」と付け加えた。

利上げが遅れれば、FRBは最終的に、より急激な利上げを余儀なくされる可能性があるとし「そうなれば、FRBや経済に深刻な影響が及ぶ。悲惨、かつ破壊的なプロセスとなるだろう」との見方を示した。

総裁は、低金利が数年後には資産バブルにつながることを懸念している、とし、規制当局が適切に防止できるかどうかは疑問だと述べた。

FRB当局者はほぼ全員が年内利上げを見込んでいるが、時期については見解が分かれている。年央の主張がある一方、低インフレとインフレ期待低下を理由に、利上げは先送りすべきと考える向きもある。

ブラード総裁は、市場のインフレ期待低下が数カ月続いていることについて、原油安が原因、と主張。原油価格の安定後もインフレ期待の低下が続けば、初めて懸念する理由になる、と述べた。そのうえで総裁は、ダラス地区連銀が公表した指標ではインフレ率が1.6%と横ばいで、FRBの目標の2%からさほど下がっていないことを指摘した。

ブラード総裁は、タカ派の急先鋒であり、FRBは慎重過ぎるとの立場。第1・四半期中の利上げ開始を主張している。総裁は今年、FOMCの投票メンバーではないが、FOMCの定例会合には出席する。

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