「消費弱いが緩やかに回復」と判断維持、先行き上方修正=2月経済報告

2015年2月19日(木)17時55分

[東京 19日 ロイター] - 政府は、2月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と据え置いた。輸出と雇用情勢については判断を上方修正したが、景気の中に弱さが残るとの見方を変えるほどの大きな材料はなかった。

消費は年明け後も停滞しており、上向きに転じると判断できる環境にはないとしている。

先行き見通しは「弱さが残る」との表現を削除し、上向きに変更した。景気ウォッチャーでのマインド改善や、冬のボーナスが好調だったこと、石油価格下落のプラス影響を加味した。雇用改善や原油価格下落を背景として「緩やかな回復が期待される」と明るさを表現した。

ただし、リスクとして「消費者マインドの弱さや海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある」との文言は残した。

総括判断で弱さが残るとされた消費は、1月の最新統計でも自動車の販売が年末販売促進の反動で落ち込み消費全体の下押し圧力となっているほか、消費マインドの回復が鈍くまだ水準的に低いこともあり、今後上向くとの判断には至っていないとしている。所得が物価上昇に追い付いていない環境の中、「消費者マインドに弱さがみられるなかで、底堅い動き」との見方を据え置いた。

設備投資も、横ばいの判断で据え置き。

一方で、輸出は上方修正した。10─12月に米国向けを中心に輸出数量が伸びたほか、アジア向けのスマートフォン需要が好調なことから、前月の「横ばい」から「持ち直しの動き」に変更。1年ぶりの修正となった。

また雇用情勢も、3カ月ぶりに判断を変えた。有効求人倍率が12月にはっきりと上昇、前月にあった「一服感」との表現を削除し、「雇用情勢は改善傾向にある」と上方修正した。

他方で公共投資は、これまでの「底堅く推移」から「このところ弱めの動きとなっている」に下方修正。公共工事の出来高が低下傾向となっていることが主因という。

(中川泉 編集:中山陽子)

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