ドル118円半ばで方向性出ず、アジア時間の参加者少なく

2015年2月19日(木)16時14分

[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の118円半ば。前日海外時間に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がタカ派色を後退させた内容と受け止められた余波が残り、ドル/円は上値の重さが意識されたが、下がったところでは押し目買いも入り、下値の堅さも確認された。旧正月でアジアの多くの市場が休場となっており、取引は薄かった。

高く始まった日経平均株価が上げ幅を拡大させる中、ドル/円は輸入企業のドル買いも入り、仲値公示にかけて118.82円まで強含んだ。その後は値を下げ、午前11時過ぎに損切りオーダーを巻き込みながら118.42円まで下押しされた。市場では「特段、材料があった訳ではないが、タカ派色が後退したFOMC議事要旨の余波が残っているようだ」(邦銀)との見方が出ていた。

ドル/円は118.42円をつけた後、午後3時にかけてじりじり値を戻した。オーストラリアの格下げリスクに関する一部報道で豪ドルが売られ、米ドルが買われたことも、ドル/円の押し上げ要因となったという指摘もあった。

<米利上げはFRB議長の議会証言が焦点に>

FOMC議事要旨が予想外にハト派的な内容だったことを踏まえ、「ドル買い機運がややくじかれた」(国内金融機関)と受け止める声が出ていた。早ければ6月と見込まれていた利上げ観測が後退、米債利回りが低下し、ドル/円も下落した。

米利上げ時期をめぐる次の焦点は24─25日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言に移っている。FOMC議事要旨を踏まえれば慎重な見方が示されそうだとして、ドル買いの材料としては期待しづらいとの見方がある一方、「ドルロングのポジションも調整が進んでおり、材料次第では上値追いの余地も出てきている。ポジティブサプライズの反応が大きく出やすいのではないか」(国内金融機関)との見方が聞かれた。

<ECB理事会議事要旨公開に関心>

ギリシャはユーロ圏に対し、最大6カ月間の融資延長を申請する見通しだが、ドイツなど懐疑的な支援国からの抵抗も想定され、まだ先行きの不透明感は払しょくされていない。みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、ギリシャへの融資延長で話がまとまれば「ギリシャ離脱のリスクが消え、最悪のシナリオから抜け出せる」とし、いったんはユーロの買い戻しが強まりそうだとみている。

きょうは、欧州中央銀行(ECB)が1月の理事会の議事要旨を公表する。これまで議事要旨は非公開で、ECBとしては初めての公開。ECBは1月理事会で量的緩和(QE)実施を決定。同決定にどの程度の賛成、および反対があったのかを知る手掛かりになるとして注目を集めている。市場では「初めて公表されるため、ヘッドラインの受け止めがまちまちとなり、相場が振らされるかもしれない」(別の国内金融機関)との声もあった。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 118.66/68 1.1418/22 135.50/54

正午現在   118.56/58 1.1420/24 135.41/45

午前9時現在 118.71/73 1.1398/02 135.32/36

NY午後5時 118.78/80 1.1396/98 135.36/40

(杉山健太郎)

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