ギリシャは融資延長申請へ、ドイツ「妥協の余地限られている」

2015年2月19日(木)09時45分

[アテネ/ブリュッセル 19日 ロイター] - ギリシャは19日、ユーロ圏に対し、最大6カ月間の融資延長を申請する見通しだが、ドイツなど懐疑的な支援国からの抵抗に打ち勝つ必要がある。

ギリシャ向け支援プログラムは1週間余りで期限を迎える。関係筋によると、ギリシャの手元資金は遅くとも3月末までに枯渇するとみられ、反緊縮政策を掲げるチプラス首相は同国を存続させるため、資金源の確保が急務となっている。

ギリシャが融資延長を申請する方針を示したことを受け、18日の金融市場は上昇。土壇場で妥協点を見つけ、ギリシャの破綻とユーロ圏からの離脱が回避されるとの期待が高まった。

一方、ドイツなどは融資延長は議題にならないとし、ギリシャが条件付きの支援プログラムの延長を要請することが必要と主張している。

ドイツのショイブレ財務相は、ギリシャが財政赤字削減や経済改革などの約束なしに融資延長を交渉する可能性について冷ややかな反応を示した。

ただ、「妥協の余地は限られている」とした上で、「われわれには、欧州の安定を維持する大きな責任があることを心に留めておく必要がある」と述べ、妥協の可能性が幾分あることも示唆している。

ギリシャのバルファキス財務相は18日、ユーロ圏財務相は20日に開催する電話会議で、ギリシャが提案した融資延長申請を承認すると確信していると述べた。

<財政の危機>

関係筋によると、ギリシャは国際債権団との支援協議で合意しない限り、3月末以降の債務支払い義務が履行できなくなるとみられる。

3月半ばに期限を迎える国際通貨基金(IMF)融資15億ユーロは返済できるものの、その後は支払いが困難になるという。

同様にギリシャの銀行の資金繰りも、欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援(ELA)に頼っている状況だ。

関係筋によると、ECBは18日、ELAの上限を683億ユーロ(780億ドル)に33億ユーロ引き上げることを承認した。

ただギリシャの銀行幹部は、33億ユーロの引き上げではギリシャの銀行が必要とする流動性の1週間分にしか過ぎないと指摘している。

こうした状況はギリシャ銀と同国の厳しい状況が続くことを意味しており、支援協議で妥協する必要性を高めている。

欧州連合(EU)関係筋は、ユーロ圏財務相が、ギリシャの提案を協議再開のベースとして受け入れるかどうかは同案がどのように策定されるかに左右されると指摘。文言はユーロ圏諸国の議会で承認されるようEUの法的文書に沿った表現でなくてはならないという。

米国のルー財務長官は18日、ギリシャのバルファキス財務相と電話会談を行い、債務問題について欧州諸国、およびIMFと合意するよう促した。

ギリシャ政府はこの日、ユーロ圏の支援国をなだめるために、国内で掲げる反緊縮の強硬路線よりも柔軟な対応を取っていることを示唆する文書を公表した。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ