1月米輸入物価、6年ぶりの下げ幅

2015年2月14日(土)04時13分

[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省は13日に発表した1月の輸出入物価統計によると、輸入物価は前月比2.8%下落で、2008年12月以来約6年ぶりの下げ幅となった。下落は7カ月連続。原油に加えて幅広い品目が値下がりしており、米国内の物価上昇圧力は当面抑制されたままとなる可能性がある。

ロイター通信が集計したエコノミストの予想は3.2%の下落だった。昨年12月の前月比の数字は当初発表の2.5%下落から1.9%下落に改定された。前年同月比は8.0%下落で09年9月以来の下げ幅だった。

ニューヨークのRDQエコノミクスのチーフエコノミスト、ジョン・ライディング氏は「卸売り、消費者の両方の段階で物価が下がることになりそうだ」としながらも「米経済はエネルギー価格低下による調整を経験している最中だと考えており、デフレ傾向が続くことになるとはみていない」とした。

米国のシェールガス増産や世界的な石油需要の弱含みが供給過剰懸念につながり、原油価格は昨年6月以降60%近く下がっている。一方、ドルが米国の主要な貿易相手国・地域の通貨に対して大きく値上がりしており、物価上昇率は連邦準備理事会(FRB)が掲げる2%目標から遠ざかっている。

低インフレ状態が続いているものの、労働市場が急速に引き締まっていることを受けて、FRBは6月に利上げに踏み切ると広く受け止められている。FRBは2008年12月から主要政策金利をゼロ%近傍に据え置いている。

18日に発表される1月の卸売物価指数も3カ月連続の下落になると予想されている。

1月の輸入物価をみると、石油製品の価格が前月に比べて17・7%下がり、08年12月以来の大きな下げ幅となった。昨年12月は12.4%下落。食品も2.2%下がり、12年2月以来の下落幅となった。資本財や自動車、車を除いた消費財も値下がりした。

石油製品を除いた輸入物価は0.7%下がり、09年3月以来の大きな下落幅となった。昨年12月は横ばいだった。

輸出物価は前月比2.0%の下落。11年10月以来の下げ幅だった。昨年12月は1.0%下落だった。ドル高が米国の輸出競争力を損なっている。

輸出物価は、ほぼ全品目で値下がりした。非農産品と産業用資材は08年以来の大きな値下がりとなった。車を除く消費財は09年以来の下落幅を記録した。

輸出物価の前年同月比は5.4%の下落で、09年9月以来の大きな下げ幅だった。

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