午後3時のドルは120円前半で伸び悩み、本邦勢はドル売り優勢

2015年2月12日(木)16時04分

[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の120円前半。米金利上昇などを手掛かりに、早朝一時120円半ばまで買われたが、その後は実需筋の売りや個人投資家の利食いなどで上値が重くなった。

一時120円を割り込む場面も見られたが、押し目買いに下値は守られた。

朝方は、ギリシャの債務問題をめぐる情報が錯そうし、ユーロが動いた。ギリシャが欧州連合(EU)の支援プログラムにとどまることについて、EU側と基本合意に達したと米CNBCが伝えたことを受け、1.13ドルちょうど付近で推移していたユーロは一時1.1353ドルまで上昇したが、その後、内容が明らかになるにつれ、上昇前の水準に押し戻された。

ドルは午前7時頃に120.48円まで上昇した後、本邦勢を中心に売りが流入し、じりじり値を下げ続け、11時過ぎまでに119.98円まで下落した。

市場では「朝一番、120円台を待っていた輸出企業が『思わぬプレゼント』という感じで売りを出していた」(邦銀)との声が出ていた。

また、120円近辺では、一部の投資家が、2月15日の米国債利払い・償還に絡むドル売り/円買いを執行していたという。

今後は、120円半ばに観測される売り注文や、後半にあるテクニカル的な上値抵抗線を抜けることができれば、昨年12月につけた直近高値である121.86円も意識され始めるという。

<日米金利差拡大>

午後3時20分時点の米10年国債利回りは1.9879/1.9861%の気配で、前日ニューヨーク午後5時時点とほぼ変わらずの水準。

市場では、雇用統計後の米金利の反応に変化が起こり、その変化がドル買い安心感を誘っているとの意見が聞かれた。

「過去半年以上にわたり、米雇用統計が予想を上回る好結果だった場合、米金利が上昇するのは発表当日の金曜日のみだった」、ただ「今回は、月、火、水と連続して上がっている。しかも、この間に原油価格は再度下落しており、米金利にトレンドの転換がみえている」と野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は述べ、米金利のトレンド転換はドル高/円安の支援材料とした。

ただし、ギリシャ情勢が悪化すればこうしたトレンドが覆される可能性があると付け加えた。

一方、対米金利差拡大をベースにしたドル買いは、ドル/円でしかワークしていない、との声も出ていた。「そもそもドル/円上昇のメカニズムを理屈で説明するのは困難だ。ドル高/円安のボトムラインは、上がるから買う、買うから上がるということに尽きる」(ファンドマネージャー)という。

<ギリシャ問題、月末までもつれる可能性も>

ギリシャの金融支援延長をめぐり、11日に開かれた臨時ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、声明草案の合意には至らなかった。市場では、ギリシャとユーロ圏の交渉が月末まで続く可能性を指摘する声もある。

11日の会合で検討されたギリシャ支援に関する声明草案は、新たな合意をまとめるまでの「つなぎ」として既存の支援プログラムの延長が盛り込まれていたが、ギリシャ政府は現在の支援プログラムが月末で終了しても延長しない意向を示しており、受け入れを拒否。

市場では、「ギリシャに特例を認めてしまうと、緊縮財政を強いられている他の国から不満が噴出するおそれがあるので、ユーロ圏もさじ加減が難しい。下手をすると月末までもつれる可能性もある」(外為アナリスト)との声が出ていた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 120.27/29 1.1314/18 136.08/12

正午現在   120.21/23 1.1310/14 135.97/01

午前9時現在 120.19/21 1.1309/13 135.93/97 

NY午後5時 120.43/45 1.1331/36 136.52/56

(森佳子)

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