財政の持続可能性、円滑な金融緩和推進に不可欠=財政演説で麻生氏

2015年2月12日(木)14時17分

[東京 12日 ロイター] - 麻生太郎財務相は12日午後、衆院本会議で財政演説し、民需主導の持続的な経済成長実現や円滑な金融緩和推進には、財政の持続可能性を維持することが必要不可欠だと語った。経済再生も財政健全化もこれからが正念場だとし、不退転の決意で挑戦を続けると指摘。

2020年度に基礎的財政収支を黒字化させる目標実現のため、夏までに策定する財政計画は、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の3つの柱を軸に検討する考えを示した。

<経済好循環確立に、賃上げの流れ継続を>

足元の経済情勢について麻生財務相は「『経済の好循環』が確実に生まれつつある」とする一方、「地方に経済成長の成果を早く行き渡らせる」必要性に言及。

経済の好循環を確立するためには、「政労使会議における3者の共通認識を踏まえ、賃上げの流れを持続するとともに、生産性の向上や賃金体系の見直しを進めていくことが重要」と述べた。あわせて、「コーポレートガバナンスの強化や法人税改革、岩盤規制の撤廃など、攻めの姿勢で成長戦略を果断に実行し、日本経済を確実な成長軌道に乗せる」と語った。

<円滑な金融緩和には、財政の持続可能性維持が必要不可欠>

麻生財務相は「民需主導の持続的な経済成長を実現するためにも、また、日本銀行が現在取り組んでいる金融緩和を円滑に進めるうえでも、財政の持続可能性を維持することは必要不可欠だ」と述べ、引き続き歳出・歳入両面で最大限努力するとした。

消費税率10%への引き上げについては、経済状況などを総合的に勘案し1年半延期するが、2017年4月に確実に実施するとし、「その状況を作り出すという決意のもと、経済運営に万全を期す」と決意を語った。

財政健全化に向けて、 国と地方を合わせた基礎的財政収支を2020年度までに黒字化する目標を堅持し、目標達成に向けた具体的な計画を夏までに策定すると指摘。策定にあたっては、「デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の3つの柱を軸に検討を進める」とした。

<経済再生と財政健全化に、不退転の決意>

15年度予算案については、経済再生と財政健全化の両立を実現する内容だと説明。税制改正では「成長志向に重点を置いた法人税改革として課税ベースを拡大して税率を引き下げることで、企業が収益力を高め、賃上げに積極的に取り組むよう促す」などと説明した。

経済再生と財政健全化の両立を実現するためには、「本予算の一刻も早い成立が必要」と強調。「経済再生も財政健全化もこれからが正念場だ」とし、「不退転の決意で挑戦を続ける」と決意を示した。

(吉川裕子)

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