ドル120円前半で底堅い、押し目買いが下支え

2015年2月12日(木)13時13分

[東京 12日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の120円前半だった。前週末発表の堅調な米雇用統計がベースとなり、朝方にかけて120円半ばまで買われたが、その後は実需筋の売りや個人投資家の利食いなどで上値が重くなった。一時120円を割り込む場面も見られたが、押し目買いが下値を支える形で下げ渋った。

朝方は、ギリシャの債務問題をめぐる情報が錯そうし、ユーロが動いた。ギリシャが欧州連合(EU)の支援プログラムにとどまることについて、EU側と基本合意に達したと米CNBCが伝えたことを受け、1.13ドルちょうど付近で推移していたユーロは一時1.1353ドルまで上昇したが、その後、内容が明らかになるにつれ、上昇前の水準に押し戻された。

<輸入企業には思わぬ「プレゼント」>

ドルは午前7時頃に120.48円まで上昇した後、じりじり値を下げ続け、11時過ぎまでに119.98円まで下落した。市場では「朝一番、120円台を待っていた輸入企業が『思わぬプレゼント』という感じで売りを出していた」(邦銀)との声が出ていた。

米国の利上げ観測を背景にドル/円は上がってきたが、ギリシャ問題は来週16日のユーロ圏財務相会合に持ち越しとなった。市場では「120円乗せで達成感も出る中、リスク要因が残り、上値を追いづらくさせている」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)との指摘もあった。

ドルは120円を割り込んだものの、滞在時間は短く、正午にかけて120円前半に持ち直した。「117─119円のレンジを抜けてきたので、一番思い切りのいい人は120円割れから買いたい向きもいるのではないか」(邦銀)との声が出ていた。

120円半ばに観測される売り注文や、後半にあるテクニカル的な上値抵抗線を抜けることができれば、昨年12月につけた直近高値である121.86円も意識され始めるという。

<ギリシャ問題、月末までもつれる可能性も>

ギリシャの金融支援延長をめぐり、11日に開かれた臨時ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、声明草案の合意には至らなかった。市場では、ギリシャとユーロ圏の交渉が月末まで続く可能性を指摘する声もある。

11日の会合で検討されたギリシャ支援に関する声明草案は、新たな合意をまとめるまでの「つなぎ」として既存の支援プログラムの延長が盛り込まれていたが、ギリシャ政府は現在の支援プログラムが月末で終了しても延長しない意向を示しており、受け入れを拒否。

市場では、「ギリシャに特例を認めてしまうと、緊縮財政を強いられている他の国から不満が噴出するおそれがあるので、ユーロ圏もさじ加減が難しい。下手をすると月末までもつれる可能性もある」(外為アナリスト)との声が出ていた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

正午現在   120.21/23 1.1310/14 135.97/01

午前9時現在 120.19/21 1.1309/13 135.93/97 

NY午後5時 120.43/45 1.1331/36 136.52/56

(杉山健太郎)

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