英CPI目先はマイナス予想か、中銀が12日にインフレ報告発表

2015年2月12日(木)10時54分

[ロンドン 12日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は12日に公表するインフレ報告で、目先の物価上昇率がマイナスになるとの予想を示すとみられている。一方、その先のインフレ予想次第では、利上げ開始時期めぐる市場の観測が変わるかもしれない。

12月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%上昇と、約15年ぶり低水準を記録。中銀目標の2%を大幅に下回った。

中銀は12日1030GMT(日本時間午後7時30分)にインフレ報告を発表する。同時に、インフレ率が中銀目標を大幅に下回った理由について説明したカーニー総裁からオズボーン財務相への書簡も公表される。

ただ、総裁も財務相もインフレ鈍化をそれほど懸念していないだろう。日本のようなデフレに陥る懸念が高まっているユーロ圏とは異なり、英国の物価下落は景気を下支えすると見込まれいる。

英経済成長は約10年ぶりの高水準になるとのエコノミスト予想もある。

ただ、最近まで2016年半ばと予想されていた市場の利上げ再開時期はわずかに前倒しされただけで、依然2016年初めになると見込まれている。

UBSのエコノミスト、デービッド・ティンスレー氏は「金融政策委員会は恐らく、市場の利上げ開始時期が2016年になったことを若干懸念しているだろう」と指摘。「ただ、先行きが不透明なギリシャ情勢を踏まえると、カーニー総裁は、今はタカ派的なスタンスを示す時期ではない、と考えているかもしれない」と述べた。

中銀は11月、2年以内にインフレ率が1.8%に上昇するとの見通しを示したが、今回それを上方修正すると市場は不意を突かれた形になるだろう、とエコノミストは指摘している。

11月以降に原油価格は一段と下落し、数カ月以内にデフレに陥る観測は高まった。ただ同時に、原油安は経済成長見通し引き上げにもつながり、その結果物価は将来急速に上昇する可能性がある。

ゴールドマン・サックスとJPモルガンは、中銀がインフレ率は3年以内に2%を上回るとの見通しを示すと予想。ゴールドマンは利上げ開始が2015年末になると予想している。

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