機械受注12月は2カ月連続増、「緩やかな持ち直し」に上方修正

2015年2月12日(木)10時39分

[東京 12日 ロイター] - 内閣府が12日に発表した12月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、10─12月期に前期比0.4%増と2期連続で増加、当初見通しを上回った。1─3月期見通しも増加が続く内容となった。内閣府は判断を上方修正、市場からも予想より強めの結果となったと受け止められ、設備投資に対する見方にも変化が出てきた。

12月の受注(民需・除く船舶・電力)は、前月比8.3%増の8536億円となった。2カ月連続の増加。ロイターの事前予測調査では2.4%増と予想されていたが、これを上回った。前年比でも11.4%増だった。

特に製造業は前月比24.1%増と大幅増、3カ月ぶりの増加となった。非製造業も同7.2%増と、2カ月連続の増加となった。

外需は同6.9%減、4カ月連続の減少だった。

企業の投資も前向きの動きを維持していることがうかがえる。実質輸出が回復しつつあることや、円安で高収益となった企業もあることが背景とみられている。

この結果、10─12月機械受注は前期比0.4%増で、2期連続の増加となった。当初の見通しでは0.3%減と見込まれていたが、増加に転じた。製造業は前期比0.8%増で2期連続増加、一方、非製造業は0.7%減で4四半期連続の減少とさえなかった。外需は2四半期連続の減少。

先行き1─3月の機械受注見通しは前期比1.5%増で、実現すれば3四半期連続の増加となる。電子・通信機械や工作機械がけん引役とみられる。製造業は減少に転じるが、非製造業は増加する見通し。達成には1─3月各月に前月比2.0%の減少でも可能となり、ハードルはそれほど高くないとみられる。外需も3四半期ぶりの増加に転じそうだ。

足元の増加傾向や先行きの明るい見通しもあり、内閣府は、機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。

市場関係者からは「先行き、機械受注・設備投資は回復方向となる見込み」(SMBC日興証券)との見方が出ている。「原油安・円安・景気回復という組み合わせで、設備投資には追い風となっている。前回までは、その割には設備投資回復ペースは緩やかと評価していたが、今回の数値は総じて素直に強い」(同証券)と、設備投資に対する見方に明るさが出てきた。バークレイズ証券でも「15年前半以降も増加傾向を維持するだろう。特に、人手不足を背景として非製造業の設備投資が、サービス消費と輸出と並び、日本経済のけん引役となるだろう」とみている。

機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:田中志保; ※(izumi.nakagawa@thomsonreuters.com; 03‐6441‐1834; ロイターメッセージング:izumi.nakagawa.thomsonreuters.com@reuters.net))

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