日本経済は緩やかに回復、長期金利急上昇の可能性=日銀審議委員

2015年2月12日(木)03時00分

[ロンドン 11日 ロイター] - 日銀の佐藤健裕審議委員は11日、日本経済は緩やかなペースで回復し続けるとの見方を示した。ただ、政府の財政政策に対する疑念が台頭すれば、日銀の緩和策の効果が薄れる恐れがあるとの懸念を示した。

佐藤委員はロンドンで行われた日本証券業協会主催のイベントで公演。日本経済はこれまで緩やかな回復を続けてきたとし、今後もこうしたトレンドは継続するとの見方を示した。

そのうえで、日銀による大規模な国債買い入れを柱とした量的・質的金融緩和(QQE)の効果は増大しつつあるとの認識を表明。ただ、政府の財政政策に対する疑念が金融市場で台頭すれば、効果が鈍る可能性もあると指摘した。

日本の長期金利はこのところ大きく動いており、10年債利回りは今週に入り2カ月ぶりの高水準をつけている。

同イベントに出席した財務省の藤城真審議官は、国債利回りの乱高下に懸念を表明。ただ、こうした状態は短期的なもので、今後国債入札が行われるに従い沈静化するとの見方を示している。

佐藤委員は、毎月発行される国債のほとんどを日銀が買い入れていることに対し、一部市場で不満が出ているとの認識を表明。投資家が日本国債を保有するにあたりより多くのリスクプレミアムを求めるようになることが、日本にとり最大の脅威となるとの見方を示した。

そのうえで、インフレ率が日銀が目標とする2%に近づき、日銀が国債買い入れを終了させるとの観測が投資家の間で広まるにつれ、長期金利が急上昇するリスクがあると指摘。

長期金利はかなり急速に上昇する可能性があるとの見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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