ギリシャの混乱、波及リスク低い─S&P=独紙

2015年2月11日(水)23時48分

[ベルリン 11日 ロイター] - 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の幹部は、ギリシャの混乱がユーロ圏全体に波及するリスクは低いとの見解を示した。独経済紙ベルゼン・ツァイトゥングが報じた。

S&Pのソブリン格付け最高責任者、モリツ・クレーマー氏は同紙とのインタビューで、「ギリシャのリスクプレミアムはこのところ再び劇的に上昇したが、パニックは危機を経験したことがある他の諸国に広がっていない。実際、波及リスクはそれほど大きくないように見える」と述べた。

同氏は、ユーロ圏離脱に関するリスクを予測するのは難しいと述べたうえで、「ギリシャ経済は非常に弱く、ユーロ圏の他の諸国とのつながりも付加価値が示すより弱い」とし、ギリシャがユーロ圏を離脱してもユーロ圏は対処が可能との見方を示唆した。

また、ギリシャの債務が減免された場合でも、債権者の格付けに必ずしも悪影響が及ぶわけではないと指摘。「一般的な認識とは違い、債権者の経済力に比較すると債務はそれほど大きくない」とした。

一方、ギリシャがユーロ圏離脱で受ける影響は、ユーロ圏で最も輸入への依存度が高いことなどから、「壊滅的」になるだろうと指摘。エネルギーや医薬品、食料品などの輸入品の購入について、自国通貨ですべてを賄うことはできないだろうとの見解を示した。

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