共和党と民主党どこが違う
米大統領選挙は共和党、民主党いずれも党大会を開いて候補者を決定。選挙戦は早くも終盤の気配です。
共和党と民主党は政策が大きく異なります。小さな政府を求める共和党と、大きな政府を容認する民主党。この点が、差異が曖昧な日本の民主党と自民党とは違います。
日本の民主党と自民党は、消費税増税にどちらも賛成しましたし、整備新幹線や高速道路建設推進など基本方針は変わりません。
政策が大きく異なるアメリカの共和党と民主党の支持者とは、どんな人たちなのか。どんな違いがあるのか。それがよくわかる写真があります。
民主党の支持者たちの写真が、本誌日本版9月19日号に掲載されているからです。党大会に出席した代議員たちが、オバマの4年間に対して「THANK YOU」のプラカードを掲げている写真です。
これを見ると、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系と、実にさまざまな人種が写っています。ターバンを巻いたインド人(シーク教徒)も目立ちます。女性の多さも特徴的です。
共和党大会の代議員層とは大きく異なるのです。
8月末、私はフロリダ州タンパで開かれた共和党大会を取材しました。そこに集まった代議員の顔ぶれを見た同行のテレビプロデューサーは、「日本の農協の全国大会みたいですね」と感想を漏らしました。地方の農家の男性たちと思しき人たちばかりだったからです。中年の白人男性が圧倒的で、一部に高齢の白人女性が混じっていました。
黒人の数は極端に少なく、アジア系もヒスパニック系も探すのに苦労します。こういう人たちが共和党を支持しているのですね。
こうして見ると、古きアメリカを代表する中西部では共和党が強く、西海岸や東海岸など移民が多い州では民主党が強い理由がわかろうというものです。
共和党大会でも民主党大会でも、中南米系のヒスパニックの知事や市長、議員たちが次々に演説しました。「ヒスパニックを重視していますよ」とのアピールなのですが、代議員の顔ぶれを見る限り、「ヒスパニックの代表」は民主党です。
選挙の行方は混沌としていますが、もし民主党のオバマが勝利するとすれば、この写真に代表されるような「多様性」こそが勝因になることでしょう。
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