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健康40歳以上ですか? ウエイトトレーニングは筋肉を強く保つだけではない、との研究結果
筋肉量は40歳を迎える前から減少しはじめる...... milan2099-iStock
<コペンハーゲン大学の研究チームは、健康な高齢男性を対象に、運動強度の高いレジスタンス運動が筋肉とニューロンの接続を強化するのかについて調べた......>
私たちの筋肉量は40歳を迎える前から減少しはじめる。加齢に伴う筋力量の減少は、運動ニューロン (体に動くように命令する脳と脊髄の細胞) が分解するときに起こる筋繊維の減少が大きく関与しており、止められないが、大幅に遅らせることは可能だ。
高齢になっても、筋肉に一定の負荷をかけて筋力を鍛える「レジスタンス運動」によって、筋肉とニューロンの接続を強化し、脊髄の運動ニューロンを保護する。これが、身体の正常な機能に不可欠だ。
デンマーク・コペンハーゲン大学の研究チームは、健康な高齢男性を対象に、運動強度の高いレジスタンス運動が筋肉とニューロンの接続を強化するのかについて調べた。その研究結果は2022年7月8日付の「アメリカンジャーナル・オブ・フィジオロジー:セル・フィジオロジー」で掲載されている。
「65歳や70歳でもけして遅すぎることはない」
この研究では、健康な高齢男性38人を実験群として16週間にわたり週3回、高強度のウエイトトレーニングを実施し、ウエイトトレーニングをしない健康な高齢男性20人の対象群と比較した。なお、実験群、対象群のいずれも、平均年齢は72歳であった。
実験群では、トレーニング期間の前後とその中間の8週間目に筋生検を採取し、神経筋接合部の安定性に関するバイオマーカーなどを解析した。その結果、8週間目には身体の健康状態と筋肉の大きさが顕著に向上していた。
研究論文の筆頭著者でコペンハーゲン大学のカスパー・ソンデンブロ博士研究員は、「この研究結果は、たとえ高齢期になってからウエイトトレーニングを始めたとしても、違いが現れることを示すものだ」とし、「もちろん始めるのは早いほどよいが、65歳や70歳でもけして遅すぎることはない」と説いている。
ウエイトトレーニングが神経系との接続を強化するメカニズムについてはまだ解明されていない。研究チームでは今後、このテーマについてさらなる研究をすすめる方針だ。